2025 年 4月 19日 (土)
ホームライフスタイルファッション異常気象・不況・通貨安…“三重苦”に直面する韓国ファッション業界の苦悩

異常気象・不況・通貨安…“三重苦”に直面する韓国ファッション業界の苦悩

2025年4月13日、ソウル市鍾路区で、4月中旬としては118年ぶりとなる降雪に見舞われ足早に歩く市民(c)news1

韓国のファッション業界が厳しい局面に直面している。内需不振の長期化、ウォン安に伴うコスト増加、米国発の関税政策リスク、さらには異常気象までが重なり、2025年春夏(SS)シーズンの業績も暗雲が立ち込めている。

4月末からはサムスン物産ファッション部門を手始めに、LF、新世界インターナショナル、コーロンFNCなどが2025年第1四半期の業績を相次いで発表する。しかし、消費不振と政治的不安定要素が重なり、全体的に前年同期比で業績が悪化しているとの見方が多い。

あるファッション企業の関係者は「今年の始まりから売り上げの雰囲気が非常に厳しい」とし、「一部企業を除けば、多くが営業利益の大幅減を余儀なくされているだろう」と語った。

実際、韓国産業通商資源省の統計によると、2025年に入ってもファッション衣類の売り上げは前年比5.1%減。春の新学期・新生活シーズンにもかかわらず、オフライン(-9.4%)、オンライン(-9.7%)いずれも低調だ。

為替の乱高下も業界の重荷となっている。綿などの原材料輸入コスト上昇や、グローバルサプライチェーンの精算時に発生するウォン安により、コスト構造に大きな圧力がかかっている。

輸入ブランドへの依存度が高い企業も同様だ。ラグジュアリーブームの反動で“新ラグジュアリー”商品に活路を見いだしているが、ウォン安でマージンが圧迫されている。

新世界インターナショナルは「輸入商品の販売には為替の影響が大きく、価格改定にも本社との事前協議が必要なため対応が難しい」と説明。サムスン物産ファッション部門も「輸入比率が30%を占め、為替の影響が避けられない。製品価格に完全に転嫁するのは困難」と明かした。

気候異常もファッション業界にとっては深刻なマイナス要因だ。2024年秋まで続いた高温、記録的に暖かかった冬、さらには2025年4月中旬に雪が降るという“春の寒波”が、春夏物販売計画に大きな混乱をもたらしている。

さらに不況による消費の“二極化”が進み、プレミアムブランドと低価格SPAブランドは比較的堅調である一方、中価格帯ブランドが大きな打撃を受けている。

業界関係者は「内需低迷や政局不安は流通業界全体に共通する課題だが、異常気象はファッション業界にとって特に深刻な打撃だ。不況による消費の二極化により、中堅ブランドの売り上げ不振が業績悪化の主因となっている」と指摘している。

(c)news1

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