韓国で、金融監督院や警察などを装う詐欺集団が「カードの誤配送」をかたる手口のボイスフィッシングが多発している。
警察庁によると、2024年1~11月に発生したボイスフィッシングは1万8676件、被害総額は7257億ウォン(約798億円)に上った。
被害増加の一因として、カード配送を偽装した新たな詐欺の手口が挙げられる。警察庁の通報センターに寄せられた「カード配送」偽装の件数は2023年の88件から2024年には6619件と急増した。
手口は、申し込んでもいないカードが発行されたと連絡し、続いて複数人がカード会社や金融監督院の職員、検察官などになりすまして被害者と繰り返し通話する。最終的に「被害者の口座が犯罪に使われている」として資金の移動を求めるというもの。
このほか被害者宅を訪問して「偽のカード」を渡す手口や、偽URLを含むメッセージを送ってスマートフォンにアプリをインストールさせ、遠隔操作する手法も。このアプリは被害者のスマートフォンの遠隔操作を可能にするもので、個人情報を盗み、正規の金融監督院番号に電話しても詐欺師につながるよう細工する。
主なターゲットは資産のある中高年層だ。20代以下の被害者の割合が2023年の75%から2024年51%に減少したのに対し、50代以上は15%から35%に増加している。
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