2026 年 2月 9日 (月)
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現実となったヒューマノイド、避けられないなら向き合え [韓国記者コラム]

1月28日(現地時間)、スロバキア・ブラチスラバ郊外のフォルクスワーゲングループ工場内にある「カイエン・エレクトリック」専用プラットフォームホール=ポルシェ(c)news1

スロバキアの首都ブラチスラバ郊外に位置するフォルクスワーゲングループの工場を1月28日(現地時間)訪れた。

ポルシェの電動SUV「カイエン・エレクトリック」の車体と車台を製造する専用施設「プラットフォームホール」では、計430台のロボットアームが休みなく稼働していた。同じ空間にいた作業員はわずか40人。多くはロボットが正常に動いているかを監視し、トラブル時にソフトウエアや部品を点検・整備するエンジニアだった。工程技術をロボットに教え込む役割も彼らが担う。

ここに人工知能(AI)の導入も間近だという。関係者は「AIモデルがロボットアームと工程全体に組み込まれ、いわゆるフィジカルAIが実装されれば、現在約90%の自動化率はさらに高まる」と話す。

ポルシェの生産設備部門を率いるマルクス・クロイテル取締役会議長は、フィジカルAIによる雇用への影響を懸念する声に対し、「自動車や部品工場は、従来の大量生産要員中心から、エンジニアやデータ分析担当など管理系人材中心へと急速に再編される」と指摘する。「仕事が消えるのではなく、仕事の種類が変わる。その過程で新たな雇用も生まれる」との見方だ。

再編のスピードは想定以上に速い。わずか3年前まで、人間の精密な肉体労働は当面ロボットやAIでは代替できないという見方が優勢だった。それが今や現実となっている。最近、韓国で現代自動車労組が「現場にロボット1台も入れさせない」と反発した背景にも、雇用侵食への不安がある。

それでも、ヒューマノイドの工場導入は逆らいにくい潮流だ。単なるコスト削減ではなく、製品品質や生産性と直結するからである。他社がヒューマノイドによって品質と効率を高める中で取り残されれば、企業の存続そのものが危うくなる。

実際、米テスラはテキサス州の電気自動車工場にヒューマノイドロボットを試験導入し、中国・小米(シャオミ)は北京のEV専用工場を人手のない「ダークファクトリー」として稼働させている。導入そのものを阻もうとする主張が空虚に響く理由だ。

だからこそ、ヒューマノイドを秩序立てて受け入れ、雇用への衝撃を最小限に抑える方策を練る必要がある。同時に、生産現場の人材を、ヒューマノイドにノウハウを伝え、管理する役割へと転換させる教育も欠かせない。再教育の仕組みを用意するだけでなく、無理なく学べる時間を確保する配慮も求められる。

「韓国をはじめ、少子高齢化に直面する多くの先進国にとって、自動化は適したモデルになる」。クロイテル議長の言葉通り、今問われているのは、高齢化の波とロボットの波をどう調和させるかだろう。どちらも避けられない流れなのだから。【news1 キム・ソンシク記者】

(c)news1

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