韓国・現代自動車グループのチョン・モング(鄭夢九)名誉会長と長男のチョン・ウィソン(鄭義宣)会長は昨年1月、グローバル私募ファンド(PEF)カーライルに現代グロービスの持分約10%を売却し、それぞれ約4100億ウォン、2010億ウォンの現金を手にした。現代自動車グループの支配構造の改編における不確実性を一定程度解消するための措置だったが、チョン・ウィソン会長としては大規模な継承資金を確保することができた。
現代自動車グループの支配構造改編と継承作業がどう進められるかまだ確定していない。だが、チョン・ウィソン会長がチョン・モング名誉会長から現代モービスと現代自動車の持ち分を継承するには2兆ウォン以上の資金が必要だと推算される。
チョン・ウィソン会長が配当を通じて、今後も毎年2000億ウォン以上の現金を蓄積し、現代グロービスなどの持ち分売却に乗り出せば、グループにおける支配力を高めるのに十分な資金を工面できる。
業界関係者は「チョン・ウィソン会長は現代自動車グループが2021年に買収した米国ロボット企業ボストンダイナミックスの株も20%保有している。現代自動車グループの支配構造の改編が始まれば、会長がこれまで積み上げてきた配当金と保有株式などを活用してグループ支配力を高めようとするだろう」と分析している。
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