
韓国で外食価格指数が前年比3.2%上昇し、全体の消費者物価指数上昇率(2%)を上回るなか、自宅で外食の満足感を得ようとする“家ごはん派”が増加している。
韓国銀行によると、今年の月平均外食費消費支出予測指数は「94」にとどまり、前年よりも支出を控えようとする保守的な見通しが続いた。これは、今年の四半期ごとの全体消費支出指数が100を上回り、消費拡大が予想されていた傾向とは対照的な結果だ。
11月17日に発表された「2025年 L.POINT トレンドインサイト報告書」(ロッテメンバーズ)によれば、今年1〜9月のL.POINT会員約1700万人の購買データをもとに、独自のリサーチプラットフォーム「Lime」およびSNSデータを組み合わせた分析の結果、代表的な不況型消費トレンドとして「ホームクック」が浮上した。
特に、昨年22.1%増と大幅な上昇を見せたL.POINT加盟店・レストラン(外食)での利用金額は、今年は前年同期比で0.6%減少した。SNS分析でも「家ごはん」「食費家計簿」「食費節約」といったキーワードの言及が大きく増加した。
簡便食・ミールキットの全体利用率は前年比1.4%増にとどまったが、外食費の負担が大きいメニューほど利用率の伸びが顕著だった。
例えば、家庭でも安価に調理できる味噌チゲとキムチチゲは、それぞれ13.5%、26.6%減少した。
一方で、典型的な外食メニューである酢豚は86.5%の増加を記録し、特に10〜20代のZα(Z+α)世代と30代のミレニアル世代で、それぞれ160.9%、103.5%の急増となった。
これは、外食専門店の味と雰囲気を自宅で手軽に楽しもうとする「ホームシュラン」傾向と、コストパフォーマンス志向が結びついた結果と見られる。
世代別に見ると、Zα世代は全体的な簡便食・ミールキット利用率の増加が最も顕著で、酢豚以外にもプルコギ(+29.9pt)やステーキ(+28.9pt)など、外食の雰囲気が楽しめるメニューを好む傾向が確認された。
ロッテメンバーズのデータインサイトチーム長を務めるパク・ヨンテク氏は「高物価と景気低迷が続く中、消費者は単に財布のひもを締めるのではなく、より賢明で戦略的な消費行動を見せている。不況型消費の拡大により、ホームクックは単なる食事を超え、満足と効率を追求するライフスタイルとして進化している」と述べた。
(c)news1

