韓国で物価高・高金利が長引くなか、内需製造業の体感景気は新型コロナ禍以来最も低調となっている。一方、輸出製造業はIT業界の好調により回復を続けており、内需と輸出の間で大きな格差が生じている。
25日に発表された韓国銀行の企業景気調査によると、今月の内需製造業の内需販売実績を示す企業景気実態調査指数(BSI)は、2020年9月の「66」以降で最低の「74」を記録した。これは新型コロナ拡大時と同様に、企業の内需販売が大幅に悪化していることを反映している。
一方で、輸出製造業の8月の輸出実績BSIは「94」となり、2022年9月の「98」以来の最高水準を記録した。輸出企業は、IT分野の好調な業績により、徐々に回復傾向を見せている。
こうした内需と輸出の格差は、物価高や高金利による消費や投資の抑制が主要な要因となっている。高い物価によって家計の実質所得が改善せず、金利引き下げも期待通りに進まないため、消費力が限られている。これに対し、輸出はIT関連企業の好調な業績に支えられており、AI関連投資の増加も今後の景気を支える見込み。
内需の悪化は、韓国銀行に対する金利引き下げ圧力として現れているが、ソウルの不動産価格の上昇による家計負債の増加を懸念し、韓国銀行は金利を据え置いた。イ・チャンヨン総裁は、金利引き下げが内需にプラスの影響を与える可能性を示唆しつつも、金融市場の安定を重視し、今後の状況を見極める姿勢を示している。
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