ソウル市江東区(カンドング)にある無料給食所「幸せな世の中福祉センター」。今月7日午前10時、貧困層の高齢者らに提供する弁当の準備の真っ最中だった。この日の弁当のおかずは、雑穀飯に野菜天ぷら、もやし、サムギョプサル、エゴマの和え物、シラヤマギクなどだった。
センター設立者のAさんがこう訴える。
「毎週木・金・土曜の正午、1日100人に無料の弁当を提供し、40人には昼前に弁当を配達している。おかず4種類とご飯の弁当だ。でも最近、物価が上がっているため、支援金が少ない日には仕方なくおかずを一品減らすこともある」
Aさんによると、食材費だけで1日50万ウォンがかかる。だが最近、米、野菜、肉、小麦粉など、すべて値上がりし、単価は以前と比べると2倍以上にも跳ね上がっている。「新型コロナウイルス感染の時代、貧困層の高齢者らへの支援は切実だ。物価が上がって食事を済ますのも難しいと訴える方が増えた」。Aさんはこうため息をついた。
韓国統計庁が5日に発表した3月の消費者物価動向によると、先月の消費者物価指数は106.06(2020年=100)で、昨年同月比4.1%上昇した。
1993年からソウル市鍾路区(チョンノグ)タプコル公園近くで無料給食所を運営してきた円覚寺(ウォンガクサ)社会福祉支援閣。無料給食所には、弁当を受け取るために昼食時間には300人を大きく上回る人数が集まる。
社会福祉院閣は物価上昇のため、今月の食材費だけでも10%近く増えると懸念している。カン・ソユン総務は「体感する物価上昇が大きくなった。食材費だけで1カ月に1800万ウォンから2000万ウォンかかる。今月は2000万ウォンを超えるだろう」と語った。
無料給食所を主に利用する人は低所得高齢者ら貧困層であり、物価上昇後、訪問者も大きく増えた。一方で新型コロナによって寄付も減り、準備できる食事の数量に限界がある。そのため、訪問者の中には食事を受け取れず、手ぶらで帰る人も増えている状況だ。
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