
韓国京畿道水原(スウォン)で、競合する青果店を経営していた中国人に殺害された男性の遺族が、加害者の反省のない態度と、その妻による「嘆願書集め」に強い憤りを表明している。
事件は3月7日午前3時29分ごろ、水原市長安区にある被害者(当時65歳)のマンション出入り口で発生した。加害者の中国籍の男(49)は、被害者に対して刃物を数十回振り下ろし、殺害したとして殺人罪に問われている。8日には水原地裁で初公判が開かれた。
JTBC「事件班長」の報道によると、被害者の息子は「父は毎朝3時にソウル・可楽市場へ出勤していた。当日も午前3時に電話した直後、30分も経たずに救急隊から“心停止状態”との連絡があった。最初は糖尿病によるショックだと思った」と事件当時を回想した。
しかし、警察が犯人と断定したのは、父の店からわずか40メートル離れた場所に店を構えていた中国人の青果店主で、事件発生から3時間後、現場近くで逮捕された。警察の取り調べに「被害者に罵倒されて衝動的に犯行に及んだ」と語り、計画性を否定している。
これに対し、息子は「父や店の従業員がそのような暴言を聞いたことは一度もない」と強く否定。さらに「事件の1週間前、被告が知人の店主に“誰かを殺したい”と話していたと聞いた」とし、被告が明確に犯行を計画していたと主張した。
検察も、監視カメラ映像の解析や法医学鑑定などをもとに「被告は身元が判明しないよう細心の注意を払って犯行に及んでおり、計画性が認められる」として起訴に踏み切った。
初公判では、被告が弁護士2人を雇い、裁判官の前で涙を見せながら反省文を提出したことが明らかとなった。だが息子は「被告は犯行直後にも平然と農水産物市場に顔を出していた。遺族には一言の謝罪もない。それなのに被告の妻は近所を回って嘆願書を集めていた」と怒りをにじませた。
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