「最近の学生たちは試験期間にお酒を飲みません。以前のように『飲め』と言う学生はいないと思ってください」(韓国・成均館大学前の伝統居酒屋社長)
就職準備を共にした学友たちと卒業後4年ぶりに母校を訪れたクァク氏(31)は、大学前の雰囲気の変化に驚いた。クァク氏は「私のころは、試験一つが終わるとみんなで酒を飲んで、また勉強してから飲んで……というパターンを繰り返していた」と振り返る。
ソウル市城東区(ソンドング)の漢陽大学周辺の食文化通りの状況も同じだ。同大周辺で20年間サムギョプサル屋を経営しているAさん(70代)は「うちの店は会食場所として有名で、開講総会、サークルの会食、試験期間の前後にはよく予約電話が殺到した。しかし、最近はシーズンになっても予約電話一本もなく、がらんとしている」と話した。
大学周辺で1991年から運営するカルビ屋の従業員、キム・オクジャさん(50代)は「教授たちが担当学生たちと開講、終講の時期には大勢集まることがよくあった。最近では、そのような予約が全くない」と語った。
◇新型コロナの余波
学生街の飲み会文化はガラッと変わった。
大規模な人数で集まって安価な酒を思う存分飲むというよりも、一杯だけでもいいから雰囲気の良いところで楽しむ方を好むようになった。
ソウルのある大学で学生会活動をしているチョン某氏(24)は最近、秋祭りを終えた後、学友20人とファミリーレストランに行った。
「アルバイトや課外授業で皆お金を稼ぐので、どうせ食べるなら雰囲気の良いところでおいしいものを食べようという方向で意見が一致した。会食だからといって、無条件に学校前の店には行かない」
特に新型コロナウイルス拡散期間に大学生活を始めた学生たちは、数十人の先輩・後輩で一堂に会するような経験をしたことがない。そのため、酒の量よりも、飲み会の質を重視するようになった。
大学生の間では、比較的価格が安い焼酎とビールの選好度が依然として高いが、過去の大学生の飲み会ではなかなか見られなかったハイボール、ワイン、ウイスキーなどの割合も大きく増えた。
◇事件、事故のない飲み会
韓国の製薬会社「韓独」が9月、大学生1300人を対象に実施した「飲酒文化アンケート調査」の結果、最近最も好んで飲む酒としては、焼酎が34.5%で最も多く、ビール(27.2%)、ハイボール(18%)、ワイン(7%)、ウイスキー(5%)、伝統酒(2.3%)、日本酒(2%)などが続いた。昔とは違って、大学生が行けそうな手軽なワインバー、カクテルバーなどが増えたのも、学生街の酒文化変化の原因の一つに挙げられる。
大学生のユン・ジュンサンさん(22)は「確かにワインバーやパブのような雰囲気の良いところに行って洋酒を飲む頻度が増えた。終電がなくなる前に帰宅できるよう飲み会の時間が短くなり、それに合わせ、ウイスキー1ショット程度で終わるというパターンに変わったようだ」とみる。
学校で、酒の強要を禁じる指導が導入されたのも酒文化を変えた。大学行事の後、酒の強要で人権侵害が起きると、行事自体が禁止されるので注意しろ、と教育されているという。事件、事故のない飲み会が、最近の文化になった――とも強調した。
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