
韓国釜山・BEXCOで5月28日開幕した「2025国際海洋防衛産業展(MADEX)」の現場では、韓国企業関係者だけでなく、各国の海軍関係者やバイヤー、納品業者、観覧客で賑わいを見せた。中でもカナダ、サウジアラビア、フィリピン、コロンビアなど多国籍の軍高官がブースを視察し、「艦艇輸出」への期待が高まっている。
近年、海洋防衛の重要性が増す中、韓国の造船・防衛企業の艦艇建造技術力が世界から注目されている。米中対立の激化やロシアのウクライナ侵攻による緊張の高まり、さらにはトランプ米大統領の「ラブコール」も国内防衛産業への関心を後押ししている。
中でも注目を集めたのは、防衛産業の垂直統合を果たした韓国の大手グループ「ハンファ」だ。今年のMADEXでは出展企業中で最大規模のブースを展開し、「主役」の座を狙った。
ハンファエアロスペース、ハンファシステム、ハンファオーシャンの防衛3社が統合ブースを構え、前面にはハンファシステムの戦闘型無人水上艇の大型模型を配置。無人艦艇10種、水上艦4種、潜水艦3種の計17種の艦艇と、MRO(整備・修理・オーバーホール)技術、潜水艦用エネルギー貯蔵装置(ESS)などの先端技術を披露した。
ハンファグループのキム・ドングァン副会長は現場を視察し、「2030年までに世界トップ10の防衛企業になる」との意気込みを語った。
一方、HD現代とLIGネクスワンも合同ブースで対抗した。LIGネクスワンもハンファと同様に無人水上艇の模型を前面に据え、競い合う構図となった。
中でも注目を集めたのは、HD現代のチョン・ギソン首席副会長が主催した「カクテルレセプション」だった。チョン・ギソン副会長は、LIGネクスワンのシン・イクヒョン代表、韓国海軍のヤン・ヨンモ参謀総長らを招待し、「Go Together(一緒に行こう)」という乾杯音頭で、HD現代とLIGネクスワンの連携をアピールした。
チョン・ギソン副会長は記者団に「海軍の多様なニーズを反映した各種艦艇を準備してきた。ペルーやフィリピンへの防衛輸出に貢献できた。今後も“大韓民国ワンチーム”として邁進する」と語った。
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