2025 年 2月 10日 (月)
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混乱する韓国政治、世界の半導体市場を揺るがす「核心変数」に

韓国サムスン電子瑞草社屋(c)news1

半導体市場調査会社「テックインサイツ」は5日、「2025年半導体市場予測」レポートを発表し、今年の半導体市場の動向を分析・展望した。報告書では、半導体産業に影響を与える主な要因として、韓国の政治的混乱と産業への影響、米国の政治状況、インテルのリーダーシップ空白、半導体関連のIPO(新規株式公開)、メモリー市場の動向、AI(人工知能)の発展などを挙げた。

特に、トランプ大統領の経済政策を扱う章の直後に、韓国の政治状況に関する内容が掲載されたことからも、韓国の政治不安が今年の半導体市場を左右する「核心変数」として浮上していることがうかがえる。報告書は、韓国の政治的動揺が世界の半導体産業に与える影響について、「韓国の不安定な政治が経済分野へと波及するリスクが大きい」と指摘した。

報告書では、韓国の半導体市場に影響を及ぼす要因として▽全国規模のストライキの可能性▽政策の継続性▽グローバル企業の動向――の三つを挙げた。これは、非常戒厳事態後に各地で抗議活動が続き、不安定な政情が経済へと波及する可能性を示唆したものと考えられる。

まず「全国規模のストライキの可能性」については、全国サムスン電子労働組合(全三労)のストライキの可能性が関係しているとみられる。全三労は現在、会社側と賃金・団体交渉(労使交渉)を進めており、11日の第5回本交渉で合意に至らなければ、中央労働委員会に調停を申請する方針だ。

「政策の継続性」については、国内の政権交代が不透明な状況下で、半導体関連政策が変更される可能性を考慮したものだ。また、韓国の政情不安が深刻化した場合、グローバルな大手IT企業が韓国以外の「代替供給網」を模索し、半導体産業の勢力図が変わる可能性があるとして、「グローバル企業の動向」も重要な要素として取り上げた。

報告書によると、韓国の政治的不安定が世界の半導体供給網に影響を与える可能性が高い。サムスン電子とSKハイニックスが世界の半導体市場で占める割合が非常に大きいためだ。2024年第3四半期時点で、両社の世界DRAM市場のシェアは75.5%に達している。

報告書は「アップルやインテルなど、韓国のメモリ半導体に依存する企業は、供給遅延やコスト増加に直面する可能性がある。米国、日本、中国はいずれも短期間で韓国のメモリ生産量を完全に代替することはできない」と指摘した。

また、今年の半導体市場に影響を与える要因として、韓国と並び米国も重要な変数とされた。トランプ大統領の「関税戦争」への懸念や、半導体を支援する法(CHIPS法)の補助金支給の不透明さが主な要因だ。

(c)MONEYTODAY

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