
極度の渇水により断水措置が続く韓国江原道江陵市で、観光客の予約キャンセルが相次ぎ、地元ホテルの宿泊券が中古取引サイトなどで大量に売り出されている。
オンライン中古取引サイトには江陵市内の高級ホテル宿泊券を販売する投稿が次々と掲載された。ある販売者は、購入者への説明として、ホテル側から送られてきたシャワーなどの部分断水に関する案内メッセージを共有し、万が一の返金要請にも備える様子を見せていた。また、他の出品者も、使用期限が迫る宿泊券を売却しようとしていた。
別の中古取引サイトでも、江陵地域の宿泊券販売に関する投稿が複数見られた。これらの宿泊券はほとんどが9月中旬から10月初旬までの日程に集中しており、断水による観光の不便さを懸念した観光客のキャンセルによって売りに出されたものとみられる。
このような状況下で、江陵市内の宿泊業界も大きな打撃を受けている。韓国の宿泊業界団体である大韓宿泊業中央会江陵市支部は9月10日開いた理事会で、議題よりも「経営が苦しい」という訴えが大半を占めたという。
現在、江陵市内の宿泊施設では新規予約がほとんどなく、断水への不安や予約キャンセル・返金に関する問い合わせだけが相次いでいる。
京畿道南楊州市に住む30代の会社員男性は「週末に江陵へ行くつもりだったが、断水のニュースを見て他の地域に変えた」と話し、「断水さえなければ江陵に遊びに行っていたのに残念だ」と語った。
SNS上でも、江陵旅行を計画していたが断念したり、宿泊施設の予約をキャンセルして他の観光地に変更したという投稿が複数見られる。
大韓宿泊業中央会江陵市支部のイ・ソンジョン支部長は「この時期は本来閑散期ではあるが、今年はあまりにも予約率が低い」としたうえで、「こういう状況で『観光に来てください』とも言えず、本当に苦しい。雨が降るか、ダムが放流されるかして、状況が元に戻ってほしい」と訴えた。
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