
韓国で、フランチャイズ本部と加盟店主が「差額加盟金」の性格や賠償責任をめぐって鋭く対立し、互いに訴訟を提起する事態が続いている。だが今回の本質は、裁判でどちらが勝つかではなく、フランチャイズ事業の根幹である「消費者の信頼」が揺らいでいる点にある。
フランチャイズは本部がブランド・システム・商品を提供し、加盟店主が現場で顧客対応やサービスを担うことで一つのブランドを共同運営する仕組みだ。
目的はただ一つ、消費者に選ばれ、ともに成長することである。
しかし現実では本部と加盟店が互いに法廷に立ち、責任の押し付け合いに終始している。店主は「事前に説明を受けていない」と主張し、本部は「差額加盟金は加盟金と性質が異なるため問題ない」と応酬するなど、議論は平行線をたどる。
問題の発端である差額加盟金制度は、本来は情報公開の透明性を高めるために導入された。しかし制度の隙や裁判所の一律的な判断が重なり、業界全体が“潜在的被告”に追い込まれる構図が生まれた。本部と加盟店が契約条項をめぐり争う間、消費者は無視されている。
だが消費者は静観しているだけではない。信頼を失ったブランドは必ず背を向けられ、その混乱は業績悪化へと直結する。その損害は本部と加盟店双方に跳ね返る。消費者の信頼がなければ、どんなに拡大したブランドも一瞬で崩れるのだ。
フランチャイズの真の競争力は内部抗争ではなく、消費者の支持にある。いま必要なのは互いの取り分を奪い合うことではなく、協力による解決である。
訴訟で解決できない問題こそ、協力の場で解決されなければならない。【news1 ペ・ジユン記者】
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