食品の詳細情報や消費期限、リコール情報をスマートフォンで簡単に確認できる新サービス「フードQR」が韓国で11月26日から本格的に運用を開始した。これにより、食品パッケージに小さく記載された情報を一目で確認できるようになり、消費者にとって利便性が向上する。
フードQRは、製品ごとに設定された商品識別コードをもとに、食品の表示内容やリコール情報などをリアルタイムで提供するインターネットベースの情報伝達システムだ。
従来、消費者は食品の原材料や消費期限などをパッケージに印刷された情報から確認していたが、パッケージの限られたスペースに多くの情報が詰め込まれているため、必要な情報を探しにくいという問題があった。
フードQRを利用すれば、食品安全情報だけでなく、栄養成分や調理方法などの健康・生活情報をリアルタイムで確認が可能だ。高齢者には拡大表示機能、視覚・聴覚障害者には音声変換アプリやアバター手話動画などを提供し、幅広い利用者に配慮した設計となっている。また、QRコードからアクセスするウェブページでは、表示情報の他に調理手順や履歴追跡も確認でき、多言語対応も可能だ。
今年は国内製造の食品が対象で、来年には輸入食品、2026年には国内の農産物・畜産物・水産物など全食品へ対象を広げる計画がある。さらに、QRコードで提供される情報を家電製品(電子レンジやオーブンなど)と連動させ、簡単な調理が可能なサービスの導入も検討されている。
今月から、ラーメンや餃子、菓子類など15社101製品でQRコードを試験導入中で、表示義務化を視野に入れた法整備が進められている。
食品医薬品安全処は「フードQRをかざせば、消費期限や安全情報を誰でもすぐに確認できる環境を目指している。消費者だけでなく流通業者も効率よく情報を把握できるだろう」としている。
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