2025 年 10月 16日 (木)
ホーム社会海水の蒸発速度を400倍に高める飲料水化技術を開発…韓国の研究チーム、水不足解決に前進か

海水の蒸発速度を400倍に高める飲料水化技術を開発…韓国の研究チーム、水不足解決に前進か

POSTECH(c)KOREA WAVE

韓国の研究チームが海水を大量に蒸発させて飲料水に変える新技術を初めて開発した。この技術は、1時間あたりの蒸発速度が太陽光下の塩田で自然に蒸発する速度の400倍にも達する。

メガ・ニュース(MEGA News)のパク・ヒボム記者の取材によると、浦項工科大学(POSTECH)は10月14日、機械工学科のイ・サンジュン教授と「未来機械技術フロンティアリーダー育成教育研究団」のヒギンズ・ウィルソン博士の研究チームが、昼夜や天候に関係なく海水をより迅速に飲料水に変えることができる技術を開発したと発表した。

この技術は、最近、国際学術誌「Communications Engineering」に掲載された。

イ・サンジュン教授は「地球の表面の70%は海だが、飲める淡水は全体の2.5%にすぎない。そのため海水を飲料水に変える淡水化技術こそ、人類が直面している重要課題だ。近年、太陽熱を活用した界面蒸発(ISG)技術が、水と空気の界面にある水分子のみを加熱する性質により蒸発性能が優れており、活発に研究されている。しかし天候や昼夜の変化によって性能に大きな差が生じるという問題があった」と説明した。

そこで研究チームは、ISG技術に3Vまたは5V以下の電気を使って加熱する「ジュール(Joule)方式」を組み合わせた。

イ・サンジュン教授は「強い日差しによる蒸発と電気加熱による蒸発方式を合わせた結果、数十秒以内に水温が100度まで上昇した。この方式はISGによって水分子を分離するため、約40度の加熱でも水が蒸発する」と補足した。

研究チームはそのために、細かい穴が密集したたわし状構造の「グラッシーカーボンフォーム(glassy carbon foam)」に「チオール(thiol)」という化学物質を塗布し、水の吸収力を高めると同時に電気抵抗を約0.75Ω(オーム)まで低下させて電気の流れを良くした。

その結果、純水を使った蒸発実験では、蒸発器表面の温度がすばやく水の沸点に近い約98度に到達し、水分の蒸発量は1時間あたり205kg/㎡に達した。これは200リットルの水を1時間で完全に蒸発させるレベルに相当する。

イ・サンジュン教授は「この蒸発率は従来の世界最高記録の2倍以上にあたる。特に塩分濃度3.5%の塩水の場合、蒸発する表面に塩が析出して蒸発速度が大きく低下するが、それでも1時間あたり18kg/㎡を処理した。現在この問題を解決するため追加研究を進めている」と述べた。

研究チームは、この技術は短時間で高温加熱が可能なため、殺菌や空気中の水蒸気を集めて飲料水に転換する技術にも即座に応用可能だと説明している。

(c)KOREA WAVE

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