
海外在住の韓国人の犯罪被害が過去3年間で約3倍に急増していることが分かった。海外旅行者の増加や企業の海外進出が活発になった影響で、海外での韓国人関連の事件・事故も増加している。しかし、こうした増加傾向に対して外務省の在外公館人員は10年間ほぼ横ばいの状態で、対応力不足が懸念されている。
国会外交統一委員会のハン・ジョンエ議員室が外務省から提出を受けた資料によると、2021年に6498件だった在外韓国人の犯罪被害は2024年には1万7283件に増加し、約2.7倍となった。2025年上半期だけで9555件に達しており、このペースでは4年前の3倍を超える見込みだ。
地域別では、2025年上半期の被害のうちアジア・太平洋地域が最も多く4432件を占めた。中でも訪問者の多い日本で1341件、続いてベトナム925件、中国818件、タイ580件、フィリピン424件、カンボジア303件となっている。外務省は特にカンボジアで増えている韓国人対象の就職詐欺や監禁被害を防ぐため、16年ぶりにカンボジア外務省と領事協議会を開催し、主要被害地域の渡航警報を引き上げた。
被害の増加と同様に、在外韓国人による加害事件も増えている。2021年には2326件だったが、2024年には3255件、2025年上半期には1842件と確認された。これは海外渡航者数の急増と密接に関係している。法務省の統計によると、パンデミックの影響で2021年の出国者は約123万人にとどまったが、2022年には約658万人、2023年には2275万人、2024年には2870万人に達した。
問題は、このように急増する外交通商需要に対して外務省と在外公館の人員がほとんど増えていない点だ。外務省の定員は1992年に2121人だったが、30年後の2022年で2884人に増えたのみで、2025年2月時点でも2883人とほぼ同水準。特に在外公館勤務の公務員は2016年から現在までに1268人から1490人へ、わずか222人の増加にとどまっている。
これは主要国と比べても圧倒的に少ない。2024年基準で米国の外交人員は2万7230人と韓国の約10倍、日本6674人、フランス1万3818人、ドイツ6179人、カナダ8300人、英国8176人、オーストラリア4835人などだ。
外務省は「組織拡大と人員増加を努力してきたが、関係省庁との協議で新たな増員は認められず、既存組織を再編して必要分野に再配分する形で対応している」と説明する。
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