
韓国の音楽ストリーミング市場が大きく揺れている。YouTube MusicやSpotifyなどグローバル企業の攻勢が続く中、国内の音楽プラットフォーム各社は、リスナーやファンとの接点を増やす戦略に転じたり、サービス終了を選択したりと、生き残りをかけた変化を遂げている。
モバイルデータ分析企業IGAWorksの「モバイルインデックス」によると、2025年10月時点の月間アクティブユーザー(MAU)は▽1位はYouTube Music(約797万人)▽2位:Melon(約705万人)▽3位:KT Genie Music(約303万人)▽4位:FLO(約200万人)▽5位:Spotify(約173万人)▽6位:VIBE(約53万人)▽7位:Bugs!(約31万人)――となっている。
この5年間でMAUが右肩上がりだったのは、YouTube MusicとSpotifyの2社のみ。とりわけ、YouTube MusicはYouTube Premiumとのバンドル販売が功を奏し、韓国市場で急成長。2023年にはついに国内最大手のMelonを抜いて1位に浮上した。
ただ、公正取引委員会が「抱き合わせ販売」に対し違反の判断を下したため、GoogleはYouTube Musicを含まない新料金プラン「YouTube Light」の韓国導入を予定しており、今後その地位が揺らぐ可能性もある。
Spotifyもまた、2023年10月に導入した広告視聴で無料利用が可能なプランを機に、アクティブユーザー数が前年比約2倍に増加した。
さらに、2025年には韓国IT大手ネイバーと戦略的パートナーシップを締結。詳細は非公開だが、Spotifyのプランをネイバーの有料会員制「ネイバープラスメンバーシップ」に連携させるとみられている。
これまで、NetflixやUberなどもネイバーと提携し韓国内で急速にユーザーを増やした事例があり、Spotifyにも同様の効果が期待される。
ネイバーは自社音楽サービス「VIBE(バイブ)」の順次終了を決定。既存のネイバーメンバーシップ利用者がSpotifyへ移行する可能性も高く、音楽ストリーミング市場での順位変動が予想される。
一方、かつて“絶対的1位”と称されたMelonは年々ユーザー数が減少している。
また、通信キャリア連携で利用者を拡大してきたKTのGenie Musicや、かつてSKT傘下だったFLOも同様に減少傾向にある。
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