2024 年 11月 25日 (月)
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水素法通過で急がれるカーボンニュートラル政策…尹政権の課題

SDGs~韓国の取り組み

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領©news1

市場創出、官民実質協力、社会共感形成――。ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権発足に際し、韓国のエネルギー業界の専門家が、カーボンニュートラルの順調な国政課題定着のために出した提言だ。

ムン・ジェイン(文在寅)前政権がグローバルな流れに歩調を合わせてカーボンニュートラルのスローガンを掲げた。ならば、新政権は発足とともにアクションプラン(実行計画)を出さなければならないという課題を抱えている。スタート後1年で水素イニシアチブを握るのはもちろん、「ユン大統領の任期中」が目標を達成するための「ゴールデンタイム」というのが業界・学界の診断だ。

◇カーボンニュートラルのカギ、水素法改正案通過

新政権発足を約1週間後に控えた4日、国会は産業通商資源・中小ベンチャー企業委員会法案小委員会を開いた。「水素経済育成および水素安全管理に関する法律一部改正法律案」が通過したことに業界は歓迎の意を示した。

水素法改正案の通過は、水素経済時代を準備する業界の宿願だったが、与野党の意見の違いでこの1年間、法案処理が遅々として進まなかった。今回、法案の小委通過で本会議通過も確実視される。

「国内企業が水素産業を第2の成長の原動力と予想し、昨年から多様な投資計画や水素バリューチェーン関連の青写真を出した。これまで具体的な法案が決まらず不確実性が大きかったが、法改正案が本会議を通過すれば国内の水素経済履行にも弾みがつくだろう」

水素事業を準備中のある業界関係者はこう期待を示した。

水素法改正案は水素経済活性化のための制度だ。清浄水素使用促進のための認証制を導入する一方、清浄水素発電購買義務制度(CHPS)を導入しようというのが骨子だ。

また、水素発電用天然ガス料金制の導入、清浄水素生産と使用に関する行政と財政の支援、水素発電入札市場導入などの内容も含まれている。

◇韓国経済の新成長エンジン

ユン政権は今月3日、110大国政課題の発表を通して世界第1位の水素産業を育成するという目標を提示した。清浄エネルギー源である水素なしにはカーボンニュートラルの実現が難しいという認識が根底にある。

韓国経済の新成長エンジンであり、雇用創出においても重要な産業だ。水素法改正案の国会小委通過で、新政権がカーボンニュートラルのロードマップをつくり上げるうえで重要な第一歩を踏み出したというわけだ。

昨年、現代自動車、SK、ポスコ、ハンファなどの国内大手企業は、水素経済の全分野に約43兆ウォンの投資計画を発表した。業界は「改正案通過が遅れたため、立法による支援が可能になり次第、水素エコシステム構築のための具体的な制度を施行令として整える必要がある」と提言する。清浄水素の具体的定義や初期の市場形成のための財政支援準備案が不可欠とみられる。

水素普及活性化のための官民協議体である「水素融合アライアンス」関係者は次のような認識を示している。

「どのような分野に財源を用意し、どのような方法で、どこに支援するのか、そのシステムを準備しなければならない。今、各国が水素経済に参入しつつある。新政権がシステムをうまく設計すれば、グローバル水素政策をリードできる一つの模範例になるだろう」

©MONEYTODAY

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