
「店内利用ですが……」。8月25日午前、韓国江原道江陵市の「コーヒー通り」にあるカフェで、アイスアメリカーノを注文した客が飲料がプラスチックカップで出てくると驚きの声を上げた。
店員は「干ばつ被害により市内飲食店で一時的に使い捨て容器が許可されている」と書かれた案内板を指し示した。
全国的にカフェでは店内客にはリユースカップを提供するのが常識となっていたが、江陵の深刻な干ばつはその光景を一変させた。
同じ時刻、別のカフェでは店主がミネラルウォーターを大量に積み上げ、それを使ってコーヒーを淹れていた。店主は「貯水池が干上がるのを見て節水に参加することにした。浄水器は止め、食洗機も使わない」と語った。水の買い置きだけで30万ウォンを費やしたという。
江陵市は8月21日、環境省の基準に従い、干ばつ段階を「深刻」に格上げ。市内6700カ所のカフェや食堂、給食施設などでコップや食器、割り箸などの一時的な使い捨て利用を認めた。
しかし、節水努力にもかかわらず状況は悪化している。8月25日現在、江陵の最大水源である梧鳳(オボン)貯水池の貯水率は17.4%と平年(69.2%)の4分の1以下。あと20日余りで枯渇する水準で、15%を割れば家庭用水の供給制限、農業用水の全面停止が避けられない。すでに市は世帯ごとの水道供給を最大50%制限、公衆トイレの半数閉鎖や公共プールの休止などの措置を取っている。
市民は雨乞いにもすがった。8月23日、大関嶺国師城隍で市民団体が集まり祈雨祭を営んだ。
衛星画像解析によると、梧鳳貯水池の水面積は4月21日には0.75㎢だったが、8月17日には0.29㎢まで縮小した。江陵に必要な水の87%を供給する水源が10%台まで減少したことで、地域社会は深刻な水不足に直面している。
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