
ソウル市内の消防署に無償でパンを届け続けるパン店主の話が、消防士の投稿をきっかけに韓国で広まっている。
現職の消防士が8月20日、自身のSNSで体験談を共有した。それによると、新しくできた路地のパン店に立ち寄ったところ、若い店主から歓待を受けた。体を壊してかなわなかったが、子どもの頃の夢は消防士だったそうで、「うちはクロワッサンと塩パンが自慢だ。暑いでしょう。コーヒーどうですか」と笑顔で声をかけてきたという。
店主は注文する前にアイスアメリカーノを手渡し、消防士らがパンをいくつか買って店を出ようとすると、「もう少し休んでいけばいいのに」と名残惜しそうに声をかけた。
その後、驚くことが起きた。店主が消防署にパンを届けてくれるようになったのだ。毎回10万ウォン(約1万600円)以上のパンを丁寧に詰め合わせたものだ。いつも消防士宛てに届くそうで、同僚からは「店主と義兄弟の契りでも結んだのか」とからかわれている。
消防士は「心で測れない贈り物だ。無償でこんなことをしたら店が潰れるのではと心配したが、店は4店に増えている。あまりにおいしいからだ」と言い、感謝を述べた。
ネット上では「店の名前が知りたい」「人類愛を感じる」「もっと繁盛してほしい」という反応がある一方、「公務員がパンをもらったと通報されないか心配だ」という声もある。
(c)news1