2024 年 9月 8日 (日)
ホーム社会母親に認知症歴、子供の発症リスク、特に高い…韓国の研究チーム分析

母親に認知症歴、子供の発症リスク、特に高い…韓国の研究チーム分析

(c)news1

韓国・盆唐(ブンダン)ソウル大学病院精神健康医学科のキム・ギウン教授研究チームはこのほど、母親が認知症を患っていた場合、子どもの認知症発症リスクが特に高まることがわかったと発表した。研究結果は国際学術誌「精神臨床神経学ジャーナル」に掲載された。

親子間では遺伝子をはじめ、生活方式と環境を共有するため、親の認知症が子どもの認知症発症リスクを高める可能性があるという報告はこれまでにもあった。

しかし▽どの病気が関連性が高いのか▽父系と母系の病歴のどちらの影響力が強いか▽子どもの性別によって差があるのか――はわかっていなかった。

研究チームは8カ国の高齢者1万7194人を対象に認知症家族歴を調査し、臨床評価と各種検査などを通じて回答者が認知症かどうかを診断した。

回答者の平均年齢は72.8歳で女性の割合は59.2%だった。

その結果、両親のうち1人でも認知症の病歴があると認知症発症リスクが47%増加し、中でもアルツハイマー病発症リスクは72%増加したことがわかった。

父親が認知症の病歴がある場合には認知症発症リスクは有意に増加しなかったが、母親が認知症の病歴がある場合には認知症の危険性が51%、アルツハイマー病は80%高くなった。

母親が認知症歴のある女性は68%、男性は100%以上もアルツハイマー病のリスクが増加した。

研究チームは、母親側に遺伝するX性染色体やミトコンドリアDNAのような母系遺伝形質もアルツハイマー病発生に重要な影響を及ぼしかねないと判断した。

キム教授は「親に認知症の病歴がある場合、より厳格な禁煙と節酒、食習慣改善、高血圧、糖尿などの基礎疾患管理をして認知症を予防できるよう努力しなければならない」と述べた。

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