
韓国で、交差点での右折(日本の左折に相当)時に一時停止を義務付ける制度が始まってから3年が過ぎた。歩行者の安全を最優先に掲げたこの制度は、導入当初の混乱を経て、定着段階に入ったとの評価もある。一方で、運転者の間では「場面ごとの判断がいまも分かりにくく、後続車の視線が気になる」との声が絶えない。2026年現在、現場で特に迷いやすい場面と取り締まりの基準を整理する。
最も誤解が多いのは、前方信号が赤の場合だ。現行法では、歩行者の有無にかかわらず、停止線の手前で完全に止まる必要がある。注意すべきは「完全停止」の基準で、速度を落とすだけの徐行は一時停止として認められない。たとえ短時間でも車体が完全に止まり、周囲を確認してから発進して初めて違反を免れる。
直進と右折を同時に認める車線では、後続車との摩擦が起きやすい。右折車が規定どおり止まると、直進したい後続車がクラクションを鳴らす場面が後を絶たない。ある運転者は「法に従って止まると後ろが荒れる。気まずさから急いで動き、事故になりかけた」と打ち明ける。だが、後続車に押されて停止義務を破れば、過料は前の車の運転者に科される。
最も議論を呼ぶのは、歩行者が横断歩道を「通行しようとする時」の判断だ。横断歩道付近でスマートフォンを見ていたり、渡るか迷う様子を見せたりするだけでも、運転者は止まるべきだとされる。警察関係者は「横断歩道に向かって速足で近づく、車道に足を踏み出そうとするしぐさがあれば、ためらわず停止するのが安全」と話す。取り締まりでは、歩行者の意思が明確でなくても、運転者が十分な注意を払ったかどうかを重視する。
問題は過料6万ウォン(乗用車)や違反点数15点にとどまらない。一時停止義務を破って事故を起こすと、運転者の過失割合が従来より大幅に重く算定される。歩行者保護義務違反が適用され、刑事責任に発展する可能性も高い。右折専用信号が設置された交差点で信号を無視した場合は、信号無視事故と同等に扱われる。
交通の専門家は、運転者の判断に委ねる現行制度の限界を指摘する。すべての交差点に右折専用信号を設ければ最も分かりやすいが、交通の流れが滞る懸念もある。ある専門家は「右折時の一時停止は、もはや“常識”であるべきだ。少し遅れても、歩行者が見えたらまず止まる文化が根付けば、法的な混乱も収まる」と強調する。
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