韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)政権で初代駐ロシア大使を務めたチャン・ホジン国家安保室長が最近、政府の対ロシア外交の前面で、「圧迫の強度」を高めている。ロシアは北朝鮮との「密着」を強化するやいなや、政府の高強度圧迫に直面することになった。この過程でチャン室長の「オーダーメード型対応」が目立っている。
ロシアのプーチン大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が新たに締結した「包括的戦略パートナー協定」の全文が公開され、波紋が広がると、政府は直ちに圧迫外交で対抗に乗り出した。チャン室長が国家安全保障会議(NSC)を主宰した後、「ウクライナに対する武器支援方針の再検討」カードを取り出した。
政府はこれまでウクライナに「破壊兵器」は支援していなかった。長期的にはロシアに対する「管理外交」次元だったが、先端兵器を相当数保有し世界の防衛産業市場で領域を広げていく韓国の兵器が、ウクライナに渡ることがロシアに大きな負担になるためだという情報判断が背景にあった。
特にある大統領室高官は「具体的にどうするかはロシア側も次第に知ることが興味津々ではないか」として露ロ間の今後の歩みにより「オーダーメード型の矢」を放つという意志を表明した。
外交関係者の間では、破格的ともいえる話法の背景になった構想もやはりチャン室長主導で提起されたとみられている。
チャン室長は昨年4月に第1外務次官に抜擢され、わずか8カ月後の同年12月には大統領室国家安保室長に任命された。
特に、チャン室長が駐ロ大使を務めた当時は、ウクライナ戦争勃発とこれによる西側諸国の対ロ経済制裁発動、また韓国の制裁参加で韓ロ関係が非常に困難だった時期だ。ロシアは韓国を「非友好国」に指定し、大使として外交活動にも制約が伴った。
しかし、チャン室長は他の西側諸国と違い、当時もロシア当局者らと官邸で食事をするほど「人脈管理」に長けていたという。
チャン室長は、第1次官の時から、朝ロ兵器の取引などと関連して、韓ロ関係は一方ではなく双方が努力しなければならないという点を強調し、韓国が活用できる効果的な外交的カードとしてウクライナ兵器支援に言及してきたという。
実際、チャン室長の発言後、プーチン大統領は「ウクライナに武器を支援すれば大きなミスになる」と言及しながらも、朝ロ間条約は北朝鮮が侵略を受ける場合にのみ軍事支援を提供するものだとしたうえ「韓国は心配しなくても良い」と述べた。「敏感に反応しながら手を引く」プーチン大統領の発言について、ウクライナに対する武器支援がロシアにとって痛いカードであることが確認されたという評価が出た。
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