ソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故の当日、大統領私邸がある瑞草(ソチョ)で集会が開かれなかったにもかかわらず、警察機動隊2個部隊が午前から待機していたことが確認された。機動隊1個部隊は事故現場近くで夜間待機中だったにもかかわらず、事故現場に向かわなかった。
警察庁の「10月29日経歴運用計画」によると、梨泰院事故当日、全81部隊のうち14の機動隊が光化門(クァンファムン)3、龍山(ヨンサン)4、汝矣島(ヨイド)3、瑞草(ソチョ)4の拠点4カ所に分散配置された。
大統領私邸がある瑞草の場合、事故当日の午前8時から2つの機動隊が交代で勤務した。京畿警察庁の支援計画も決まっていた。
私邸を警護する大統領警護処の人員がいるが、集会などが開かれるのに備えて機動隊が追加配置された。しかし、同日、瑞草の集会日程は一つもなかった。
このため事故当日、梨泰院一帯に配置する警察人材がいたにもかかわらず活用できなかったという指摘が出ている。
警察はこの日、龍山戦争記念館前での集会対応のため、午前8時から午後8時まで機動隊3個部隊を投入し、午後8時から翌日8時まで待機する機動隊1個部隊を配置した。この日、龍山区では正午~午後8時まで計4団体の集会・デモが開催される予定だった。
しかし、当初、龍山区集会への対応に配置されたソウル警察庁所属の3つの機動隊は、光化門集会への対応に動員され、京畿地域管轄の警察庁所属の機動隊3つの部隊が代わりに龍山地域集会に投入された。
その後は夜間組のソウル庁機動隊1個部隊が光化門から移動し、緑莎坪(ノクサピョン)駅と三角地(サムガクチ)駅付近で待機勤務をした。
当時の集会は午後8時ごろにすべて終了したが、近隣の機動隊は事故現場には投入されなかった。この日の午後6時34分から事故が発生するまで3時間以上の間に11件の圧死事故の危険性を知らせる通報があったが、待機勤務にとどまっていたわけだ。
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