
韓国消防庁が、梨泰院雑踏事故や済州航空旅客機事故など、過酷な現場に投入された消防隊員約3300人を対象に、心理治療を強化する方針を明らかにした。梨泰院雑踏事故後にうつ病を患い死亡した消防隊員の事件をきっかけに、同様の困難を抱える隊員たちの心の回復を支援するためという。
消防庁によると、毎年実施している全消防官を対象とした心理カウンセリングに加え、梨泰院雑踏事故と済州航空機事故に出動したすべての消防職員に対して追加の心理相談が進められる。
対象者は、梨泰院雑踏事故に出動した隊員1316人と済州航空旅客機事故に出動した隊員2037人。消防当局は、心理的安定と治療が必要な隊員に対して、▽深層カウンセリング▽ストレス回復プログラム▽医療機関での治療――の支援を提供する。
2022年10月の梨泰院雑踏事故現場に出動した消防官(30)はその後うつ病を患い、2025年8月10日に行方不明となり、10日後、京畿道始興市の橋脚下で遺体で発見された。殉職(公務中死亡)として認定されるかどうかは未定。この消防官はこれまでに、消防庁が支援する医療措置や心理治療を計12回受けていたことが確認されている。失踪直前には、家族や友人に「ごめんなさい」と書かれたメモを残していた。
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