2024 年 11月 25日 (月)
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梨泰院「集団トラウマ」どうする…「もう忘れろ」は役に立たない

6日午後、梨泰院駅1番出口に設けられた追慕空間に市民が続いている©news1

ソウル・梨泰院(イテウォン)雑踏事故により、現場当事者はもちろん、国民全体がトラウマ(事故後心的外傷)を抱えるのではないかと心配されている。当事者や家族、目撃者など現場にいた人々だけでなく、SNSなどによって広範囲に事故の写真と映像が広がっているため、トラウマに苦しむ人々の範囲を推し量ることさえ難しいからだ。「集団トラウマ」の懸念が広がる理由だ。

専門家は医療スタッフとの積極的な相談を通じて心のケアに務めるよう助言し、政府の積極的な対応も要請した。精神的苦痛を経験する人たちに「もう忘れろ」とか「すぐ良くなるよ」のような言葉はこれを克服するのに役立たないと助言した。

米国心理学会(APA)はトラウマを残す事件を▽直接経験した事件▽目撃した事件▽近い親戚や友人に起きて間接的に体験した事件――の3つに分類する。専門家は事態の収拾と同様、目に見えないトラウマの対処も重要だと強調した。

直接目撃した生存者と遺族だけでなく、事故の事実に接した誰もが恐怖、憂鬱などトラウマを抱える可能性があり、日常生活が辛くなれば直ちに専門家に助けを求めなければならないと強調した。

大韓神経精神医学会で対外協力広報理事を務めたホン・ナレ氏=翰林(ハンリム)大聖心(ソンシム)病院精神健康医学科教授=は「まず心の中を整理する『哀悼の期間』が必要な時。周囲で感情を和らげる時間を設けることも重要だ」と話した。

ホン教授は「『私も現場にいたかもしれない』という考えが皆を苦しめるだろう。惨事の写真や映像は間接経験になり得るので避け、私たちが痛みを分かち合わなければならない」と話した。

ホン教授をはじめとする専門家たちは、今が「市民が能動的な心のケア活動に、より積極的に寄与する時」と提案した。あなたのせいではないと言ってあげるのが慰めになるからだ。「忘れようとしても、忘れられるわけでもない。今はあるがままに反応する時だ。苦しむのはもう止めろと非難するのは慎まなければならない」。こう強調した。

©news1

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