
韓国のポータル大手ネイバーが、人工知能(AI)サービスのサブスクリプション権の転売を全面的に制限する。無料で入手した利用権を安値で再販売する取引が広がり、突然のサブスク停止やアカウント凍結など利用者被害が相次いでいるためだ。
ネイバーによると、オンライン販売プラットフォーム「ネイバー・スマートストア」は12日から、ChatGPT、Gemini、Claude、PerplexityなどAIサービスのサブスク権を取り扱い不可商品に指定する。ネイバー関係者は「定価より安くAIサービスを利用できる商品を点検した結果、スマートストアで販売されている商品の大半が、突然のサブスク停止やアカウント凍結など購入者被害の恐れが高い方法で販売されていることを確認した」と説明した。
実際、ネイバープラスストアでは現在、Googleの最新AIモデル「Gemini 3.1 Pro」を含む「Google AI Pro」サブスクが、本来月額2万9000ウォン(約3190円)相当であるにもかかわらず、年間1万7000〜1万9000ウォン(約1870円〜約2090円)という極端な低価格で販売されている。Gemini 3.1 Proに加え、画像生成モデル「Nano Banana Pro」や動画生成モデル「Veo 3.1」なども利用できるとされるが、旧版Gemini 3 Proを含むGoogle AI Proの年間定価が34万8000ウォン(約3万8280円)であることを考えると、約20分の1の価格に過ぎない。
商品レビューによると、こうした販売者は無料で取得したサブスクを購入者のアカウントに登録できる形で提供し、差益を得ているとみられる。レビューの中には「米国の大学生に1年間無料で提供されるAIサブスクを、国設定を変更して決済する方式のようだ」と指摘する書き込みもあった。
しかし、購入後にサブスクが取り消されたという報告も相次いでいる。ある利用者は「購入して1〜2週間ほど使ったところ、利用規約違反としてGoogle AI Proのプランが終了した」と投稿。別の購入者も「Proプランを購入して使っていたのに、突然Google AI Plusプランへのアップグレード案内が表示された」と書き込んでいる。
こうした取引はAIサービス企業の利用規約にも違反する。Geminiのサブスクを提供する「Google One」は利用規約で「GoogleサービスのAIクレジットを他のユーザーやアカウントに販売・譲渡、またはその試みをしてはならない」と定めている。OpenAIも利用規約で「アカウント資格情報の共有や他人への提供はできない」とし、「サービスを貸与・販売・配布する行為は禁止する」と明記している。
ただ、個人販売用や機関・団体向けの正式ライセンス契約を結んでいることを証明する資料を事前に提出した商品については、ネイバーの取り扱い禁止の対象外となる。制裁により販売停止となった場合でも、証明書類を提出すれば復旧が可能だ。
同様の対応は他社でも広がっている。カカオは先月、イベントで安価に販売したChatGPT利用権が中古市場で高値転売される事例が相次いだことを受け、外部経路で流通した利用権の登録を制限した。カカオトークのギフト機能で受け取った利用権のみ登録できる仕組みに変更し、友人から贈られた場合や自身がギフトで購入した場合に限り利用可能とした。
この措置は、カカオが先月、月額29万9000ウォン(約3万2890円)のChatGPT Pro1カ月利用権を2万9000ウォン(約3190円)で最大5個まで販売するプロモーションを実施した際、中古取引サイトで2〜4倍の価格で転売されるケースが続出したことが背景にある。カカオ関係者は「正当に利用する購入者を保護し、公正な利用環境を維持するための措置だ」と説明している。
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