歌手ユ・ヒヨル、タレントのユ・ジェソク、俳優のペ・ヨンジュンとチュ・ジフン、作曲家キム・ドフン――韓国の著名芸能人らが相次いで、新規株式公開(IPO)によって莫大な投資収益を上げそうだ。
◇ユ・ヒヨルとユ・ジェソク、「カカオエンター」有償増資に参加、持分価値は2倍以上か
歌手ユ・ヒヨルは自身が代表を務めていた芸能プロダクション「アンテナ」をカカオエンターテインメントに139億ウォン(約13億円)で売却。その受け取った資金の半額にあたる約70億ウォン(約6億7200万円)で2021年10月、カカオエンターの有償増資に参加し、0.07%の株式持分を確保した。
アンテナ所属のタレント、ユ・ジェソクも同じくカカオエンターの有償増資に参加して株主になった。ユ・ジェソクはこれまで「所属事務所とは株式持分で関わりたくない」として、カカオエンター側の提案を数回断ってきた。だが、ユ・ヒヨルとの関係や、「アンテナ」の成長に責任を持つという立場から有償増資に参加したとされる。投資額は伝えられていない。
カカオエンターの企業価値は当時、11兆ウォン(約1兆600億円)台と評価された。2022年に上場する際、企業価値は20兆ウォン(約1兆9200億円)台に跳ね上がると見込まれ、ユ・ヒヨルの場合、持分の価値は投資額の2倍、140億ウォン(約13億4300万円)以上になる。
◇ペ・ヨンジュンとチュ・ジフン、「ブリッツウェイ」投資が数十倍か
ペ・ヨンジュンとチュ・ジフンは2021年12月にフィギュア製作会社「ブリッツウェイ」のコスダック上場で、巨額の投資収益を上げるとみられている。
ブリッツウェイは、韓国内で最高のフィギュアメーカーとして、ユニバーサルスタジオ、パラマウントピクチャーズ、フォックス、ソニーなどのグローバルコンテンツ企業と協力関係を築いてフィギュアを制作してきた。特別買収目的会社「テシンバランス第9号SPAC」と合併する方法で、年内のコスダック上場を目標にしている。
同社のペ・ソンウン代表は芸能マネージメントやコンテンツ企画の専門家で、ぺ・ヨンジュン設立の芸能プロダクション「キーイースト」を率いた人物でもある。ペ・ヨンジュンとチュ・ジフンはペ・ソンウン代表との縁で、3年前に投資を決めたと伝えられている。
ペ・ヨンジュンは、SPAC合併によりブリッツウェイの持分比率が減り、12.25%程度から10.51%になる。また、チュ・ジフンの持分比率は上場後に1.53%から1.31%になる。ペ・ヨンジュンは「6カ月間、株式を売却しない」としてロックアップ(一定期間、売却しないなどの契約)しているが、チュ・ジフンはロックアップ期間がなく、上場後、直ちに売却できる。
ブリッツウェイは、ペ・ソンウン代表が加わったあとの3年間で4倍近く成長した。2019年には35億ウォン(約3億3600万円)だった売上が2020年には127億ウォン(約12億円)に増え、33億ウォン(約3億円)の当期純利益を上げて黒字転換に成功した。2021年は売上200億ウォン(約19億円)、当期純利益52億ウォン(約5億円)にそれぞれ達する見通しだ。上場の際、企業価値を1000億ウォン(約96億円)台と認められれば、ペ・ヨンジュンの持分価値は100億ウォン(約9億5970万円)台に膨らむことになる。チュ・ジフンの持分も10億ウォン(約9597万円)以上になると予想される。
◇「MAMAMOO」を手掛けたキム・ドフン、300億ウォン台の資産家に
「RBW」代表で、著名な作曲家であるキム・ドフンは今年11月22日、コスダック上場で資産家の仲間入りする。
RBWはキム・ドフンが立ち上げたエンターテインメント会社で、4人組ガールズ・グループ「MAMAMOO」、6人組男性グループ「ONEUS」、5人組男性グループ「ONEWE」などが所属している。2021年3月にはWMエンターテインメントを買収したことで、男性アイドルグループ「B1A4」や7人組女性アイドルグループ「OH MY GIRL」も合流した。
キム・ドフンはS.E.Sの「ジャスト・ア・フィーリング」、BTSの「血、汗、涙」、IUの「マシュマロ」、ペク・ジヨンの「忘れないで」、Aileeの「見せてあげる」、MAMAMOOメンバー・ファサの「TWIT」など、多数のヒット曲を手掛けた。
RBWは一般公募で3700倍を超える高い当選倍率を記録し、公募価格は最上段の2万1400ウォン(約2054円)に確定した。キム・ドフンの持分は141万3675株(19.88%)で、公募価格基準で303億ウォン(約29億800万円)規模となる。
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