「日本政府が重要性を認識するようになって嬉しい」
ずっと人口問題を話題にしてきた米テスラのイーロン・マスク最高経営者(CEO)が最近、少子化対策の一環として東京都が未婚男女の出会いを奨励するために「デートアプリ」の開発に乗り出したことについて、自身のXに残した文章だ。また「革新的な措置がとられなければ、日本をはじめとする多くの国家が消えるだろう」と再び警告した。
日本メディアによると、マスクが紹介した東京都のデーティングアプリは昨年末、オンラインで公開された人工知能(AI)異性推薦サービスアプリの拡張版。一般の類似アプリとは異なり、地方自治体が参加者の個人情報を認証する。実際、アプリ加入のためには厳しい検証プロセスを経る必要がある。顔写真がある身分証はもちろん、身長・戸籍・学歴・職業・所得など15項目に達する個人情報を入力しなければならない。不倫に悪用されるのを防ぐため、未婚を確認できる証明書も必要であり、結婚を目的とした誠実な出会いを誘導する誓約書にも署名しなければならない。
東京都が異例にも巨額の予算をかけて独自のカップルマッチングアプリまで作るようになった背景には、全国最下位に墜落した出生率がある。厚生労働省が今月5日に発表した昨年の合計特殊出生率は1.20人で、過去最低値だ。東京の場合、前年より0.05人減った0.99人だった。47都道府県で唯一、合計特殊出生率が1人以下に落ちた。
実際、足元に火がついたのは日本と東京だけではない。「人口消滅1号国家」として名指しされたことがある韓国とソウルは“超非常局面”に入って久しい。
統計庁が先月29日に発表した人口動向によると、今年第1四半期(1~3月)の合計特殊出生率は0.76人。関連統計を作成した後、四半期基準で過去最低水準だ。韓国の合計特殊出生率は、2019年第1四半期(1.02人)以降、21四半期連続で1人を下回っている。昨年第4四半期には過去最低の0.65人まで下落した。通常、年明けに出生児数が多く、年末に行くほど減少する傾向を考慮すれば、合計特殊出生率の反騰は容易ではなさそうだ。
ソウル市はカップルマッチングのために合コンを斡旋する「ソウルティン」プログラムを推進した。激しい批判に直面して事業を中断したものの、低い出生率を考えるならば、このプログラムの有効性を理解すべきかもしれない。
オ・セフン(呉世勲)ソウル市長まで出てきて「世の中が不安定なため、未婚の女性たちは、自分たちに会う異性のことを考える前に、犯罪者に出くわすかもしれないと不安に思っている。批判はさまざまだが、必要な事業だ」と述べたほどだ。
結局、ソウル市議会は美術館やセジョン文化会館などで未婚男女が「自然な出会い」の場を主催できるようにする条例を可決させた。これは東京都が発表したデーティングアプリのソウルバージョンと言える。
韓国政府も早くも超少子化ムードの反転のために解決策を模索しているが、期待に応えられずにいる。ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は1カ月前に就任2年を迎えた時の記者懇談会で、少子化問題解決コントロールタワーである「少子化対応企画省」新設を提案した。
もはや出産と養育、結婚が「災い」ではなく祝福になる社会になるためには、国会はもちろん、中央政府と地方自治体、企業、国民が破格の成果を出すために総力を傾ける時だ。【MONEYTODAY チェ・ソクファン政策社会部長】
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