韓国大統領選で、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)氏と保守系野党「国民の力」のユン・ソンヨル(尹錫悦)氏の両候補が旧正月(2月1日)の連休前にテレビ討論会を開くことで合意した。国政に関するあらゆる懸案を扱う。一方、中道野党「国民の党」は同党のアン・チョルス(安哲秀)候補が含まれていないことに反発し、3者による開催を要求している。
討論会は今後の大統領選にどのような影響を及ぼすのか。データ分析を手掛ける「インサイトケイ(INSIGHT K)」のペ・ジョンチャン所長は次のようにみる。
「今回は過去とは比較できないほど、変動性の高い大統領選であり、テレビ討論会で候補者の資質と能力を検証することになる。心が揺れている有権者は、一つの重要な基準にできるのではないか」
有権者は討論会で、候補者の話術の上手・下手ではなく、どれだけ誠実さがあり、どれだけ政策の準備ができているかという点を見ることになる。したがって候補者はアドリブを最小限に抑える必要があり、「何かを避けようとするためのアドリブは減点になる」とみる。
イ・ジェミョン氏について、ペ所長は「大衆をけん引できる討論能力を備えている」と評価する一方、「時に、何かを皮肉るような、好感を持たれないような態度と言葉がある。支持層を結集する力にはなるが、MZ世代や女性、中道層には好まれないこともある」とも指摘する。
また、ユン・ソンヨル氏は「憲法精神や公正さ、常識といった基準でみれば、堂々としているところが強み」だが、「意味をよくわかっていないところがある。堂々とした部分に合うよう、コンテンツを充実させることが課題」との認識を示した。
一方、アン・チョルス氏については「討論そのものが『2者対決の構図』につながるとは考えにくい。むしろアン氏が“反射利益”(競合相手がミスしたり被害を受けたりした際に利益を得ること)を得る可能性もある」との見解を示している。
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