2025 年 9月 8日 (月)
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朝中露接近で韓国外交に試練…国連総会からAPECまで相次ぐ外交の難題

9月4日付労働新聞より(c)KOREA WAVE

中国の抗日戦争勝利80年記念式典を契機に北朝鮮と中国、さらにロシアの接近が鮮明となり、韓国外交にとって複雑な課題が浮上している。9月末の国連総会を手始めに、北朝鮮の朝鮮労働党創建80周年記念行事、そして10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と、外交日程が立て込む中、韓国が北朝鮮との対話の糸口を得るか、緊張が深まるかの岐路に立たされている。

戦勝節では北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が初めて多国間外交の場に姿を現し、習近平中国国家主席との首脳会談を通じて経済支援や国際舞台での後ろ盾を確保した。中国も北朝鮮を取り込み、朝鮮半島ひいては米国への影響力拡大の足掛かりを築いたとの評価が出ている。キム総書記は「国連など多国間の場で双方の利益を守る」と強調し、今後は国連外交に乗り出す姿勢を示した。

一方、韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は9月23日、米ニューヨークで開かれる国連総会に出席し、演説で南北対話の再開など政府の対北融和路線への国際的支持を求める。トランプ米大統領も同席するため、韓米が連携して非核化方針を確認し、支持を集めることが重要課題とされてきた。

しかし北朝鮮が中国やロシアを背景に国連活動を広げれば、韓米の外交余地は狭まる懸念がある。さらに10月10日の党創建80周年には、北朝鮮が大規模な式典を準備しており、中国やロシアの要人を招いて多国間外交の場とする可能性が高い。すでにロシアはメドベージェフ国家安全保障会議副議長(前大統領)の派遣を決め、中国からも高位級代表団が訪朝する見通しで、再び北中露の結束が強調される情勢だ。習近平国家主席やプーチン大統領の電撃訪朝も排除できない。

続く10月下旬には慶州でAPEC首脳会議が開かれる。トランプ大統領や習近平主席らが訪韓し、主要な二国間会談が想定されている。当初、韓国政府はAPECを韓中関係改善の機会とする構想を抱いていたが、中国が北朝鮮の擁護に回る可能性が出ており、会議の流れも変化を余儀なくされるとみられる。

さらにトランプ大統領が示唆したAPECでの米朝接触も、現実味が薄れている。北朝鮮が中国との関係を再び強化した中で、習主席が参加する多国間会議の場で米朝が直接向き合う場面は想定しにくい。中国の顔を潰す行為と受け止められるためである。

(c)news1

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