2024 年 11月 23日 (土)
ホーム社会最初は「小遣い稼ぎ」、徐々に金額アップ、そして機密情報要求…韓国で横行する「産業スパイに仕立てる」手口

最初は「小遣い稼ぎ」、徐々に金額アップ、そして機密情報要求…韓国で横行する「産業スパイに仕立てる」手口

(c)MONEYTODAY

韓国でライバル会社にバッテリー関連の機密を流出させた元LGエネルギーソリューションの役員(50)が拘束された。巨額の謝礼金を受け取る産業スパイ犯罪とは異なり、仲介業者がコミッションを受けて技術流出をあっせんしたのが特徴だ。SNS上にはこうした「勧誘」がまん延している。

MONEYTODAYの取材によると、最近、バッテリー業界の役員・社員を対象にした「技術諮問」の要請が殺到している。メッセージは主に、本人の名刺または在職する職場情報を共有するSNSを通じて伝達される。最初は比較的低い諮問料を提示して機密とは言えない情報を要求するため、「小遣い稼ぎ」の気持ちで応じてしまう。

しかし、徐々に諮問料はアップし、求める情報も高度になる。そして気付いたら「産業スパイ」に仕立て上げられていた、という仕組みだ。バッテリー業界で働く人の大半が取材に、このようなメッセージを受け取ったことがあると答えた。彼らの一部は、度重なる要求に疑問を持ち、一方的に連絡を絶ったという。

LGエネルギーソリューションの元役員もやはりこのような方式でスパイになったとみられる。

元役員はLGエネルギーソリューション事業開発担当として得た機密情報を仲介業者に流した疑いが持たれている。検察は2021年5月から昨年3月まで少なくとも16件の機密を渡したとみており、米テスラに納品される円筒形バッテリー設計技術のような重要な情報も含まれていた。受け取った利益は10億ウォン(1ウォン=約0.1円)足らずとみられる。

元役員に対する捜査はLGエネルギーソリューション側の告発がきっかけだが、半導体やディスプレイ、造船などの分野でもSNSを通じた類似のアプローチが少なくないとされ、重要技術を守るため政府レベルの努力が必要だという指摘も出ている。

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