
韓国政府がフリーランス、特別雇用職(特雇職)、プラットフォーム労働者らを原則として労働者と推定する「労働者推定制」の導入を進める中、宅配業界が制度変更の影響を注視している。宅配ドライバーは代表的な特雇職として分類されてきただけに、制度が現実化すれば業界全体の構造変化は避けられないとの見方が強い。
業界によると、現在の宅配ドライバーは個人事業主形態の特雇職に当たる。しかし労働者推定制が導入されれば、紛争時に労務提供の事実が確認された時点で労働者と推定され、事業主側が反証しなければならない構造に変わる。この場合、最低賃金、週休手当、4大保険、退職金など、労働基準法上の強行規定が適用される可能性がある。
物流業界の関係者は「労働者ではないことを事業主が立証する構造は、事実上きわめて困難だ。紛争が起きれば、初期段階から労働者性を前提に議論が進む恐れが高い」と懸念を示す。別の関係者も「法務・労務体制があっても、宅配ドライバーの非労働者性を立証する手段が乏しい」と吐露する。
主要宅配各社の CJ大韓通運、ロッテグローバルロジス、韓進 なども、制度導入に伴うコスト・運営影響や法的リスクを内部で精査しつつ、慎重な姿勢を取っていると伝えられている。
現場では、中間的な使用者の役割を担う宅配代理店の反発が特に強い。代理店協会の関係者は「労働者推定制が施行されれば、代理店が事実上の使用者とみなされる可能性が高い。最低賃金、週休手当、退職金、4大保険を同時に負担するのは、零細代理店には耐え難い」と語る。報酬が個数当たりの出来高で支払われる現行構造では、取扱量が少ない時間帯に時間換算で最低賃金未満となる問題が生じ、差額支払いを巡る紛争に発展しかねない点も懸念材料だ。
労働界は制度の趣旨には賛同しつつも、補完が不可欠だとみる。民主労総の関係者は「労働法の空白地帯を国家責任で解消しようとする問題意識は評価できる」としながらも、「紛争後にのみ労働者と推定する構造では、最低賃金や労働時間など基本的権利の全面的保障には至りにくい」と指摘する。労働基準法の労働者定義規定に、判断基準と推定原則を明確に明記すべきだとの主張だ。
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