韓国産暗号資産(仮想通貨)Terra(テラ/LUNA)暴落の事態に「お金を稼ぐゲーム(Play to Earn)」市場に赤信号が灯った。暗号資産とブロックチェーンシステムに対する信頼が崩れ、ゲーム財貨をコインに変えて現金化できるP2Eゲームに対する不振が同時に大きくなる可能性があるからだ。実際、韓国P2Eゲーム会社が発行した暗号資産価値はTerra(テラ/LUNA)が暴落し始めた10日以後、揺れ動いている。
コインマーケットキャップによると、韓国モバイルゲーム会社「COM2US」グループの仮想通貨「C2X」は、17日午前10時の段階で1137ウォンを記録していた。9日の同時間の2551ウォンに比べると、1週間で半分になったということだ。11、12両日には一時500〜600ウォン台にまで下落した。C2Xがテラマーケット(ブロックチェーンネットワークシステム)を基盤に作られており、投資心理に否定的な影響を及ぼしたものとみられる。
COM2USはメインネットを転換する方針だが、万一の場合、P2E市場の先取りにブレーキがかかる恐れがある。
新韓金融投資のカン・ソクオ研究員は「メインネットの移転や独自メインネット開発が必要になり、C2Xの生態系の構築がさらに遅れる可能性がある。ブロックチェーン事業の先取り効果が重要な時に、今回の事態は致命的」と分析した。
これに対し、COM2USホールディング関係者は「メインネット転換は迅速かつ慎重に決定しなければならない部分。ゲームにブロックチェーン技術を加えれば、さらに楽しめるという点は有効だと判断し、主要作品を支障なく開発することに力を注いでいる」と話している。
◇P2Eゲーム会社、メインネットリスクに「お手上げ」
テラ暴落の影響はP2Eゲーム市場全般に広がる様子だ。
今月初めに6万ウォンを突破した韓国ゲーム開発大手「ネットマーブル」の暗号資産「MBX」は17日、1万1000ウォン台に暴落した。韓国ゲーム開発「ウィメイド(WeMade)」の「ウィミックス」も9日の2800ウォン台から12日には1800ウォン台に35%も下落し、その後やや回復した。
韓国IT大手カカオの傘下であるカカオゲームズの子会社「メタボラ」のコイン「ボラ」も9日の600ウォン台から12日には300ウォン台にまで落ち込んだ。
ネットマーブルやウィメイド、メタボラなどがメインネットで活用する「クレイトン」も下方曲線を描いた。
9日には700ウォン台だったクレイトンはその後500ウォン台に低迷。ブロックチェーンゲームの信頼度下落も問題だが、基軸通貨の役割を担う暗号資産の価格が下落すれば、P2Eゲームへの誘引力を下げる可能性がある。
ゲーム業界にとっては、短期的衝撃は避けられないという立場だ。ただ、今回のことでブロックチェーンプロジェクトの「玉石の選別」が本格化され、P2Eゲーム市場の安定性が強化される可能性があるという説明もある。
ある関係者は「テラの一件は、ブロックチェーン技術ではなく事業構造の問題だった。安定した構造を備えたメインネットを基盤にすれば、P2Eゲーム産業自体が動揺することはないだろう」と述べた。
一方、今回のことで、コンテンツ企業であるゲーム会社が、テラのようなブロックチェーン企業リスクには対応しきれないという指摘もある。
別の関係者は「ゲーム会社独自のメインネットはないが、サイドチェーン(メインチェーンに付随する下位ブロックチェーン)は直接設計する。これを強固に作れれば、特定のメインネットに問題が発生した時でも、他のシステムに簡単に転換できる」とみる。その一方で「モバイルゲーム会社がアプリマーケットでセキュリティ問題が起きないように願っているのと同じように、メインネットで問題が発生しないよう祈るだけだ」との認識も示していた。
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