韓国の主要情報セキュリティ企業「ジランセキュリティ(Jiran Security)」は、早ければ今年下半期、暗号資産(仮想通貨)ウォレット専用セキュリティプラットフォームを発売する。最近、ウォレットを狙って個人情報や暗号資産を盗もうとするハッキング攻撃が猛威を振るっているためだ。
ウォレットサービス自体はセキュリティレベルが高くハッキングが難しいが、個人が利用するパソコンやスマートフォンを迂回攻撃し、個人の認識番号(キー)を引き出す方式だ。多数の暗号資産ウォレットにアクセスしているとキーを失ってしまう恐れも高い。ジランセキュリティが開発中のこのサービスは、さまざまな仮想資産ウォレットを1カ所で安全に管理できるセキュリティプラットフォームだ。
セキュリティ業界関係者によると、最近、NFT・仮想資産セキュリティ分野に事業を拡大しようとする動きが活発化している。関連市場が大きくなっているのは、セキュリティサービスやソリューションが多くないためだ。市場を先取りするために組織を改編したり、技術開発に着手した事例も多数ある。
PC用ワクチン「V3」を作った「アンラボ(Ahnlab)」は最近ブロックチェーン子会社「アンラボブロックチェーンカンパニー」を設立した。同社は、独自の暗号資産ウォレットを開発している。既存の暗号資産ウォレットは、個人キーとウォレットを復旧する時に必要な一種の暗証番号である「ニーモニック(mnemonic)」などを使用者が自分で保管しなければならない。ただ、ニーモニックを紛失すればウォレットに保存した暗号資産は永遠に見つからない。一方、アンラボブロックチェーンカンパニーのウォレットは、最初からニーモニックなしに安全な環境を実現し、プライベートキーを失っても、ユーザー認証を通じて新しいプライベートキーを発行する。
個人用PCワクチン「ALYa」を作ったイーストセキュリティも事業を拡張するためにメタバースと仮想資産セキュリティ新事業を検討中だ。最近、上場前に投資誘致(PreIPO)を通じて確保した資金150億ウォンを関連企業のM&Aに活用する計画だ。セキュリティソフトウェア企業「アトン(ATON)」は昨年、NH農協銀行、韓国情報通信などとともにNFT専門合弁法人「カルド(cardo)」に対する戦略的投資で話題になった。
韓国の主要情報保護企業の現在の「キャッシュカウ(cash cow/ドル箱商品)」は、主に既存のPC・モバイル機器やインフラのセキュリティソリューションやワクチンプログラムだ。売り上げは安定しているが、新事業にするには限界がある。
©MONEYTODAY