2025 年 3月 31日 (月)
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景気低迷×物価高「アプリで稼ぐ時代」…韓国で人気急上昇「アプリテック」とは?

GSリテールが昨年開始したオン・オフライン連携型ゲーミフィケーション「わたしの街の遊び場」=GSリテール(c)MONEYTODAY

コンビニやEC(電子商取引)など、韓国の流通業界全体で「アプリテック」(アプリ+資産運用)が新たな消費トレンドとして定着しつつある。単なるゲームかと思いきや、実はお金を稼ぐ手段として認識され、景気低迷と物価高に疲れた消費者の間で人気を集めている。

アプリテックとは、モバイルアプリを通じてミッションをクリアしたり、出席チェックをしたりすることでポイントやマイレージを獲得し、これを現金のように使える再テック(資産運用)方式を指す。特に流通プラットフォームでポイントを即座に活用できるため、実質的なメリットが大きいと評価されている。

◇GS25「わたしの街の遊び場」6カ月で33万人突破

GSリテールが運営するコンビニ「GS25」は、昨年開始したオン・オフライン連携型ゲーミフィケーションサービス「わたしの街の遊び場」が、物価高の影響も重なり、6カ月で累積訪問者数が33万人を超える人気ぶりを見せている。

このサービスは、GS25公式キャラクター「ムム氏と仲間たち」の中からお気に入りのキャラクターを選び、店舗で購入認証をしたり、モバイルで出席チェックなどのミッションをこなすことでマイレージが支給される仕組みだ。

貯めたマイレージは「GS ALLポイント」に転換し、GS25やGSザ・フレッシュ、GSショップなどで現金のように使える。利用者のうち20〜30代が約50%を占め、アプリテックブームをけん引していると分析されている。

◇11番街、猫を育てながらポイントゲット「11キティーズ」

ECプラットフォーム「11番街」も2023年末からショッピングとゲームを組み合わせたゲーミフィケーションによるアプリテックサービスを強化している。

代表例は「11クローバー」で、11番街内のミッションをこなして水を集め、クローバーの葉を育てると、選んだ報酬がもらえる仕組み。サービス開始からわずか5カ月で累積アクセス数は1億2800万回を記録し、大きな人気を得た。

続けて昨年4月から「11キティーズ」を開始。ユーザーが「バーチャル飼い主」となり、ミッションを達成しながら猫を育てる形式で、目標を達成すると高麗人参やフランチャイズのEクーポンなど、実際の商品が提供される。すでに累積アクセス数は1億2000万回を突破している。

◇ロッテオン、「エルスタンプ」貯めてポイント交換

ロッテショッピングのECプラットフォーム「ロッテオン」もアプリテックサービスを強化中だ。毎日アクセスするだけで「エルスタンプ」が貯まり、アプリの通知設定や友達紹介、商品レビュー投稿などのミッションで追加のスタンプが獲得できる。貯めたスタンプは「エルポイント」に1:1で交換でき、現金同様に使うことができる。

◇高物価時代に「ちりつも節約」として注目


このように流通業界全体でアプリテックサービスが拡大している背景には、景気低迷と物価高騰により、消費者が「ちりも積もれば山となる」式の小さな資産運用に関心を高めているためだ。簡単なミッションをこなすだけでポイントが貯まり、少額ながら実質的な家計の助けになる点が関心を集めている。

業界関係者は「消費者は経済的負担を減らすためアプリテックを積極活用しており、企業はそれを通じてロイヤルカスタマー(忠実な顧客)を確保しようとしている。今後、アプリテック市場はさらに拡大するだろう」と見通している。

(c)MONEYTODAY

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