2024 年 5月 13日 (月)
ホーム社会昼食はコンビニおにぎり、週末はホテルバイキング…韓国若者の消費文化、「見栄」だけでない深い理由

昼食はコンビニおにぎり、週末はホテルバイキング…韓国若者の消費文化、「見栄」だけでない深い理由

ソウルのある百貨店のブランド売り場への入場を待つ市民(c)news1

韓国のSNS上で「投稿者による消費の誇示」を思わせる書き込みが相次ぐ。韓国の若者による「多額の費用をかけた豪華ホテルでのプロポーズ」について米紙ウォールストリート・ジャーナルは「婚姻率を高めるのに役立たず、カップルに負担を与える文化だ」と斬る。

ただ、韓国の専門家らは、こうしたMZ世代(1980年代以降生まれの層)の文化を単なる「見栄」として切り捨てることができない――と考える。この世代は、コンビニのおにぎりで昼食を済ましてでも週末にはホテルのバイキングを楽しむためだ。

専門家が指摘するのは、SNS上の掲示物を単に分別のない青年たちの自己顕示欲の表れとして片付けるのではなく、今なぜ「見栄」の文化が社会に定着したのか考えるべきだということだ。特に韓国での生活レベルの二極化で将来を描けなくなった人たちの虚しさの表れとしてみるべきだと主張している。

最も根本的な問題で自尊心が低くなった青年たちが「自己実現の手段」として行きすぎた消費に走り始めた――という指摘だ。

ソウル大学社会学科のイ・ボンジュ教授は「見栄かどうかという問題より、社会的不公正の悪循環が問題だ。過去には貧困や所得の問題が基準だったが、今ははるかに多様な相対的格差が注目されている」と説明した。

韓国統計庁によると、新型コロナウイルス感染拡大以後、韓国内の階層の二極化が進み、2021年には上位20%と下位20%の所得格差は6倍に迫っている。

一方、米投資銀行モルガン・スタンレーが発表した2022年の統計資料によると、韓国の1人当たりのブランド品購入額は325ドル(約4万6000円)で世界1位だった。そのうち百貨店のブランド品売上高の約半分はMZ世代が占めている。

淑明(スンミョン)女子大学消費者経済学科のチェ・チョル教授は「韓国のSNSには、経済力によって社会が序列化・階層化されていることが現れている」と指摘する。

また、韓国が物質的には豊かになったものの、価値観に変化が生じていないことが最大の問題だという分析もある。

韓国保健社会研究院のユン・ソクミョン研究員は「経済協力開発機構(OECD)の主要国家では概して、韓国程度の豊かさを達成すれば、国民の10%程度は物質的価値ではなく他の価値を追求するようになるが、韓国はほとんど全てが物質的な価値だけを追求するという統計がある」と指摘する。

(c)news1

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