現場ルポ
ギョンジンとドンチャンの縁は10年近くになる。
ギョンジンが2012~13年、シチュエーションコメディー『無計画ファミリー』に出演した時、ドンチャンは脇役俳優で、演技をするうちに親しくなった。ギョンジンは、自分と同じ大田(テジョン)出身のドンチャンをかわいがり、ドンチャンも同郷の先輩であるギョンジンを慕っていた。
トゥーケイ監督と知り合ったのは、その2~3年後だ。当時、監督はKBS第1テレビの番組『アイデア大韓民国 私は農夫だ』の演出を担当していた。司会者の1人がコメディアンのチ・サンリョルだった。チ・サンリョルが『チョンパーティー』という番組にギョンジンを呼んだことでトゥーケイ監督との縁がつながった。
「私が今運営している会社の名前は『ドリームステーション』です。ギョンジン、ドンチャンの2人が夢を叶えるために努力する姿を見て、それに投資したくなりました。そして映画を作ることにしたのです。イム・ヨンウンも最初は今のようなスターではなかったじゃないですか」(トゥーケイ監督)
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『トロットは人生だ』は、ギョンジンとドンチャンだけの話ではない。映画監督として第一歩を踏み出したばかりのトゥーケイ監督のストーリーでもある。この映画の制作費1億ウォンは、トゥーケイ監督が自費で賄った。スケールの小さい映画だったため、投資を受けるのも大変だった。トゥーケイ監督もまた、自分の夢に果敢に賭けたのだった。
「兄さん(トゥーケイ監督)は本当にすごいです。1億というのは、決して少ない額ではないじゃないですか。いい外車を買えるお金です。それを映画作りに使ったんですよ。誰にでもできる決断ではないと思います」(ギョンジン)
こうして『トロットは人生だ』プロジェクトが始まり、オーディションを通じてキム・ソルビが合流した。
ソルビはこの作品で、アイドル練習生出身の「ジウォン」の妹「ジウン」を演じる。ジウンは練習生の姉のために、しばらく自分の夢から離れ、生活費を稼ぐという人物。「短いウェブドラマに出演したことはありますが、長編映画は今回が初めてです。俳優生活を始めたばかりなので、夢をテーマにしているこの映画に強く共感しました」(ソルビ)
インタビューの最後に、4人に目標を聞いた。
トゥーケイ監督「『トロットは人生だ』の続編を作ってみたい」
ギョンジン「辞めようとしていたコメディアン生活を続けていく」
ドンチャン「ソロアルバムをリリースし、俳優活動も増やす」
ソルビ「演技のほかにもさまざまな分野に挑戦する」
この映画は「キョンジン」「ドンチャン」「ジウォン」が1つのチームとしてデビューして幕を閉じる。ギョンジンはこのエンディングを次のように解釈してみせた。
「夢のために何かを始めた、ということが重要なのでしょう。人生というのは、一生懸命準備して夢に向かって踏み出せば、チャンスに出会えるものだと思います」
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