韓国で映画「ソウルの春」を見て怒りを感じた時、スマートウォッチで心拍数を測定しSNSに写真を載せるチャレンジが話題だ。だが、激しい怒りは心臓に良くないと専門家は指摘している。
健康な人の心拍数は通常60~100回程度。怒りはストレスホルモンの分泌を増やし、心拍数の増加を招く。血管が収縮して血圧が急上昇し、心臓や脳血管に悪影響を及ぼすことになる。
カトリック医科大学聖パウロ病院のノ・テホ名誉教授は「怒りは他の要因ほど危険ではないが、心血管系の危険因子を持つ人は激しい怒りを警戒しなければならない」と話す。
学会誌に掲載された研究によれば、怒りの後2時間以内の心臓発作は通常の4.7倍、脳梗塞は3.6倍高くなるとのデータがある。脳動脈瘤破裂に至っては6.3倍に達するという。
延世(ヨンセ)大学スポーツ応用産業学科のチョン・ヨングァン教授も「心拍数を高める最も大きな原因の一つがストレスだ」と指摘。交感神経を刺激して血圧の上昇、心拍数の増加などにつながりかねないからだ。
ノ教授は「高血圧、糖尿病、喫煙など心血管系の危険因子を持つ人ほど怒りは危険だ。怒の調節は容易でないが、心をコントロールしてストレスを減らさなければならない」と述べた。
「ソウルの春」は1979年の軍事クーデターを題材に、政権奪取を狙う新軍部勢力とこれに立ち向かう人々の姿を描いている。
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