韓国の製薬会社が1990年代に「牛黄清心元」とともに双璧を成した「天王補心丹」成分が生薬製剤として最近、新たなブームを起こしている。天王補心丹は東医宝鑑にも記載された不安感と焦りを緩和し、記憶力を改善する漢方薬だ。
特にこの薬は、サムジン(SAMJIN)製薬が2020年に包装を変更して新しく発売した後、大学修学能力試験など受験生と保護者から人気を集めている。他の製薬会社も相次いで製品を発売し、市場が急成長している。
一洋(イルヤン)薬品は今月、生地黄、酸棗仁(さんそうにん)など13種類の天然生薬成分で構成された液状型生薬製剤「一洋清心液」の国内品目許可を取得したことが分かった。
国内で2020年サムジン製薬「安定液」リニューアル発売以後に追加された液状型天王補心丹製品は今年だけで5つの製品だ。一洋薬品やウォングァン製薬、アールピーバイオ(Rp Bio)、オースティン製薬などが液状型製品で市場追撃に乗り出した。
天王補心丹関連製品市場が約20年ぶりに再び拡大しているためだ。サムジン製薬の昨年第3四半期の安定液の売上高は2020年比200%増加した。この薬は下半期の大学修学能力試験などを控え、売り上げが増加するという特性がある。
業界関係者は「修学能力試験シーズン特需で記憶力改善関連一般製品に対する問い合わせが多い。医薬品市場で昔は薬として扱われていた製品が、固形錠剤から飲みやすい液状型製剤でマーケティングリポジション(Re-positioning)に成功した事例」と明らかにした。
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