2025 年 7月 17日 (木)
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昆虫が主役のスマートファクトリー…韓国LG CNSが描く「気候テック」最前線

昆虫スマートファクトリーファームサービスの予想イメージ=LG CNS(c)KOREA WAVE

韓国LGグループ系情報システム開発の「LG CNS」が製造インテリジェンス転換(AX)技術を基盤に、昆虫スマートファクトリーファームの構築事業に乗り出す。将来の新たな成長分野である気候テック領域で注目を集める昆虫産業において、生産工程のデジタル化・自動化を進める戦略だ。

LG CNSは7月16日、江原道が主催した昆虫産業拠点団地の着工式に参加し、昆虫スマートファクトリーファーム構築事業の本格始動を知らせた。

江原道春川に建設されるこの昆虫産業拠点団地は、ミルワームなどの昆虫を大量に生産できる先端スマートファクトリーファームだ。LG CNSは、AX基盤の生産運営管理および統合管制システム、AI生育管理システム、昆虫の飼育・飼料製造・環境制御設備の自動化などを担当する。

LG CNSは、電子・バッテリー・製薬などさまざまな産業分野でAI基盤のスマートファクトリーを構築してきた。今回の昆虫生産工程においても良品の選別や精密制御など、蓄積された製造AX技術を適用する。2025年末までに昆虫スマートファクトリーファームを構築し、年間約700トンのミルワームを生産できる大規模な自動化量産体制を整える。

LG CNSは、AX基盤の生産運営管理および統合管制システムを通じて最適な昆虫生産体制を構築する。飼育・検査・搬送・環境設備などすべての生産工程のデータをリアルタイムで収集・分析し、最適な生育環境と稼働条件を導き出す。これにより、飼育段階ごとの生産工程を自動化し、無停止のスマートファクトリーファームを実現するという。昆虫の生産サイクル全体を一つのシステムで統合制御することで、運用効率も高める。

また、LG CNSはAI生育管理システムによって昆虫の品質と生産量を最大化する。ビジョンAI技術で昆虫の成長段階をモニタリングし、最適な出荷時期を算出。さらに、昆虫の色や動きをリアルタイムで分析して不良個体を判別する仕組みを導入する。

特にLG CNSは、今回の事業を通じて江原道とともに未来の昆虫産業をリードする「K-昆虫標準モデル」を提示する。昆虫飼育プラットフォームの全面的な国産化に加え、コード・用語・指標などすべての製造基準情報を標準化し統合管理することで、今後の新工場の設立時に柔軟な拡張が可能な構成にするという。

今回の事業によりLG CNSは、植物だけでなく昆虫までカバーするスマートファームの革新力を備えることとなった。これに先立ちLG CNSは、16万坪規模の全羅南道羅州における「先端無人自動化農業生産試験団地」のインテリジェントプラットフォームを構築した実績がある。

(c)KOREA WAVE

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