韓国・釜山港湾公社(BPA)はこのほど、釜山―福岡間を新規運航予定の快速船「クイーンビートル(QUEEN BEETLE)号」の試験接岸運転を実施した。韓国でのソーシャルディスタンス解除により、これまで中断していた日本との海の航路が近く開かれるものとみられる。
クイーンビートル号は2300トンの80メートル級トライマラン(三胴船)。船主はJR九州のグループ会社であるJR九州高速船。メイン船体の両側に舷外浮材(アウトリガー)がある形で、一般の単胴船に比べて甲板の面積が広いという長所を持っている。日韓間の運航が再開されれば、釜山―福岡(213キロ)を毎日1往復運航することになる。
クイーンビートル号は2020年7月、「移動そのものを楽しむ旅行」をキャッチコピーに、釜山港国際旅客ターミナルから日本に運航を開始する予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により日韓の航路が閉ざされ、運航ができなくなった。それまでの間、クイーンビートル号は日本の海域で沿岸クルーズの形で臨時運航中だった。
日韓航路の再開はまだ不透明だ。ただ、新型コロナウイルス感染がエンデミックの流れになったため、BPAは接岸施設とボーディングブリッジを点検し、運航再開に備えている。BPAは5月11日に再度、試験接岸を実施する予定だ。釜山港湾公社の関係者は「新型コロナ状況が好転している。運航再開に備えて、すでにさまざまなテストを実施している」と話している。
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