
韓国の保守系野党「改革新党」のイ・ジュンソク(李俊錫)代表が、6月3日に投開票される地方選挙を前に、保守系最大野党「国民の力」との連携に一線を画し、独自路線の確立に力を入れている。強硬支持層との関係を断ち切れない国民の力指導部を念頭に、不正選挙論を巡って対立姿勢を鮮明にする一方、「低コスト・オンライン公認」を掲げて戦略面でも差別化を図る構えだ。
改革新党はこれまでの総選挙と大統領選を最後まで戦い抜いた経緯があり、今回の地方選も完走して代替政党としての地位を固める考えとみられる。
イ・ジュンソク代表と改革新党は、6月の地方選で国民の力との連携は事実上困難だと判断しているという。
当初、イ・ジュンソク代表は、国民の力のチャン・ドンヒョク代表に対し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や公認献金疑惑を巡る特別検察の導入を求めるなど政策面で足並みをそろえていた。チャン代表の断食で健康状態が悪化した場合には、大統領室前へ移動して政府への圧力を強める案も協議しており、地方選での連携観測も浮上していた。
しかし、チャン代表がパク・クネ(朴槿恵)元大統領を断食の出口戦略に据えたことで、改革新党は国民の力との追加連携は難しいとの立場へと傾いている。
とりわけ改革新党は、チャン代表ら国民の力指導部が不正選挙論を唱える強硬保守系ユーチューバーのチョン・ハンギル氏ら、いわゆる「ユン・アゲイン」勢力と明確に距離を置けていない点を、連携不能の核心的理由に挙げる。
イ・ジュンソク代表は12日配信のnews1ユーチューブ番組で、「チャン代表は結局、キャビアでスケトウダラ鍋を作ったようなものだ」と批判し、「陰謀論を信じている人物と断絶できなければ、選挙の論理が崩れる」と指摘した。
改革新党のチョン・ハラム院内代表も4日、ラジオ番組で「ユン・アゲイン勢力や、ユン・ソンニョル(尹錫悦)という被告と明確に決別できない限り、有権者が国民の力を選ぶのは極めて難しい」と述べ、「ユン・アゲインと共に進む道は惨敗の道だ」と主張した。
こうした中、イ・ジュンソク代表はチョン氏との「不正選挙徹底討論」を推進している。当初25日に予定していた討論会は、主催メディアの再選定で延期となったが、改革新党は「陰謀論を打破する検証の場を設ける」としている。
戦略面では「既得権の放棄」を主要議題に掲げ、国民の力とは異なる道を進む。特に党指導部は、今回の日本の衆院選で新興勢力として注目を集めた「チームみらい」の事例を注視しているという。
チームみらいは衆院選に際し、人工知能(AI)が24時間有権者の質問に答える仕組みを構築し、独自開発のオンライン政治資金透明公開システムを公開した。街宣車の使用も最小限に抑えた。
改革新党は今回の地方選で、強硬保守色や宗教に依拠する政党が後退し、未来技術を基盤とする代替勢力が競争力を持つ可能性があるとみている。
イ・ジュンソク代表は最近、AI選挙支援プラットフォームを立ち上げた。政治経験の浅い20~30代や、出産・育児などで職歴が中断した女性も立候補しやすいよう、地域別の流動人口を分析して遊説ルートを提案する機能を備える。市・郡・区議会の会議録を学習させ、候補者の公約作成も支援する。
イ・ジュンソク代表は広域自治体首長の人材発掘にも直接乗り出している。AIを活用した「基礎議員選挙99万ウォンパッケージ」など低コスト選挙を軸に、全国で基礎議員の当選を目指す方針だ。改革新党では地方選に向け公認申請書の作成を終えた人が約250人、作成中が約150人に上るという。
もっとも、地方選が近づくにつれ政治情勢が変化すれば、候補一本化など多様な形で改革新党と国民の力が選挙協力を探る余地が残るとの見方も出ている。
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