健康よりスリムな体型を優先し、飢えて痩せた場合――。まず、徐々に体重を落とすことが難しくなる。さらに脱毛、アトピーなど予想外の後遺症に悩まされる恐れもある。「無理なダイエット」がいかに危険か、「365mc江南(カンナム)駅ラムススペシャルクリニック」のソン・ボドゥリ代表院長に解説してもらった。
飢えと暴食を繰り返すダイエット。これをソン院長は「『痩せた肥満』への近道」と警告する。「一度、飢餓状態を経験した体は、食欲促進ホルモンであるグレリンを分泌させ、食べ物に対する渇望をたえず呼び起こす」。ソン院長はこう指摘する。
過度な断食を通じて痩せた場合、脂肪より多く落ちてしまうものは、筋肉や水分だ。絶食過程で多くのカロリーを消耗する筋肉が減る。そして、生きるために脂肪を蓄える体質に変化する。そして、次にダイエットに臨んでも、その成果は以前にもまして出しにくくなる。
断食によって体重の減量に成功しても、小食を続けることは容易ではない。だからといって、超絶食ダイエットを続ければ、栄養失調、肌のたるみ、脱毛などの外見の変化はもちろん、健康まで害しやすい。最悪の場合、拒食症など摂食障害につながることもなる。
特にソン院長が懸念するのは「免疫力の異常」。短期間で、一気に体重を減量する場合に起こりうる最も大きな副作用だ。
人体の脂肪組織には、慢性炎症を管理するマクロファージなどさまざまな免疫細胞が並べられている。組織で分泌されるホルモンは、内分泌系に関与して体の恒常性を維持することに役立つ。だが断食しながら運動すれば、栄養と休息が不均衡な状態で脂肪を燃やすことになり、免疫体系に異常が生じる恐れがある。アトピー、じんましん、円形脱毛といったような皮膚疾患が代表的な例だ。これは免疫反応が誤った信号を乱発し、自身の体を攻撃する自己免疫疾患の一種だ。
それゆえ、ソン院長は「ダイエットには結局、運動と休息、適量の食事のすべてが調和している必要がある」と強調する。そのうえで次のようにアドバイスする。
「近年、体の成分についての検査がやりやすくなり、以前より筋骨量や体脂肪率に関心を持つ人が増えた。これは非常に肯定的な現象だ。二つの指標を地道に管理するためには、筋肉運動が必須だ。そのため、断食より、逆に良質なたんぱく質をしっかり食べることが不可欠だ」
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