
「斜陽産業」と思われがちな文具業界だが、熱狂的なファンたちが集まり、ソウル・COEXでの文具フェアが大盛況となった。会場では「ちょっと見に来ただけだったのに財布が空っぽになった」と嘆く声も聞かれた。
2日午後2時、COEX本館2階に位置する「ザ・プラッツホール」には、この日から開催された「Inventario 2025文具フェア」への入場を待つ観覧客で長蛇の列ができた。
このイベントはファッションプラットフォーム「ムシンサ」の子会社である「29CM」が初めて企画したもので、ファッションやホームリビング、ビューティーなど多様な購買カテゴリーを拡大するなか、文具を“自己表現と創作の媒介”と捉えるニーズに着目したという。
実際、29CMの今年1~3月の文具カテゴリー取引額は、前年同期比で3倍に増加した。
現場では10~20代の女性客が大半を占めた。友人同士だけでなく、父娘・母娘での訪問者も多く見られた。ある30代男性は「文具が本当に斜陽産業なのか分からなくなった」と語り、「何気なく立ち寄ったつもりが、気づけば現場で10万ウォン以上も使っていた」と苦笑した。
イベントが始まってしばらくすると、会場内外は事前にチケットを購入した来場者で溢れ返り、まるでフェスティバルのような熱気に包まれた。会場では製品を実際に試しながら、自分の好みに合った楽しみ方をする姿が目立った。
「文具人テスト」と名づけられた体験ゾーンでは、5種類の文章付き台紙から好きなものを選び、ステッカーやペンで装飾するなど、観覧客が思い思いに文具と向き合っていた。また、スタンプラリーのように会場内に隠されたスタンプを探すアクティビティも好評だった。

今回のフェアには、1961年創業の老舗メーカー「地球化学」も参加。子ども時代の思い出を呼び起こす色鉛筆を大人向けに再解釈し、来場者の関心を集めた。70年以上の歴史を誇る国産消しゴムメーカー「ファランゴム」は、かつての「ジャンボ消しゴム」を復刻し注目を集めた。
その一方で、若年層をターゲットにしたデジタル文具体験コーナーも登場。タブレット端末に表示されたデジタル台紙とペンを使ってメモやスケッチを試すことができた。万年筆ブランド「韓国パイロット」の製品を試せるブースも人気を博した。
29CMの関係者は「今回のフェアは、オフラインでライフスタイルの競争力を拡張するうえで意味のある出発点となる」としたうえで、「趣味や嗜好にこだわる“文具人”たちが新規客として流入し、ライフスタイル全体におけるロイヤル客が増えることを期待している」と語った。
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