2024年後半期の米韓連合軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」は折り返し地点を過ぎ、26日からは韓国軍単独の訓練に移った。韓国軍は、米韓演習を「核戦争の実演」と非難した北朝鮮が、武力示威などに乗り出す可能性を考慮し、警戒態勢を強化している。
軍当局によれば、米韓両軍は26日から、29日までの日程でUFSの第2部訓練に入った。13~16日はUFSの事前演習である危機管理演習(CMS)が、19~23日は政府演習(乙支演習)が実施された。
これに先立ち、先月30日から3日間にわたり、京畿道平沢(ピョンテク)にある在韓米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」で、北朝鮮の核使用を想定し、米軍の核戦力と韓国軍の通常戦力が共に防御・反撃する核・通常統合図上演習(CNI TTX)「アイアンメイス2024」が初めて実施された。
第2部では、連合上陸作戦訓練「双龍訓練」、統合火力訓練をはじめ、地上・海上・空中の各領域で実動及び射撃訓練など、計48件の実動訓練(FTX)が実施される。UFSに関連する連合FTXの回数は、昨年の38件から10件増加した。
米韓両軍は、北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)対応に重点を置き、さまざまな資産を活用した多領域作戦も展開する。米韓軍当局は、増大する北朝鮮のミサイル脅威、GPS妨害及びサイバー攻撃、地上・海上・空中での脅威と近年の戦争様態など現実的な脅威をUFSのシナリオに反映させた。
第2部訓練期間中には、米国の戦略資産が朝鮮半島に展開され、訓練に参加する可能性も指摘されている。昨年のUFS期間中には、米空軍のB-1B戦略爆撃機が朝鮮半島上空に展開し、米韓両国の空軍戦闘機と共に連合空中訓練に取り組んだ。
さらに、今回のUFS期間中には、10月に創設予定の韓国軍の戦略的能力を統合運用する戦略司令部の指揮統制本部が編成され、戦略司令部創設の検証を目的とした任務遂行能力の最終評価が進められている。
韓国軍は、北朝鮮が米戦略資産の朝鮮半島展開や韓国軍との連合訓練を口実に、示威的な挑発に出る可能性に備えている。北朝鮮外務省米国研究所は、18日にUFSを「核戦争の実演」と表現し、「最高の抑止力を保持することで、戦争防止のための力の均衡を恒久的に維持する」と述べた。
北朝鮮は、今年前半の米韓連合演習「フリーダムシールド」(FS)期間中、ミサイルを発射しなかったが、韓国側の最前線哨所(GP)と首都圏を攻撃する訓練を実施し、韓国の西海五島上空に向けてGPS妨害信号を発射する形で対抗した。
北朝鮮が先月末に西北部で発生した洪水の復旧のために朝鮮人民軍多数を投入し、軍事的挑発は難しい状況にあるという分析も出ている。北朝鮮は非武装地帯(DMZ)で壁建設作業も進めている。
軍関係者は「米韓情報当局は、北朝鮮軍のさまざまな軍事活動を綿密に追跡・監視している。韓国軍は確固たる軍事的対応態勢を維持しながら、UFS演習を着実に実施している」と強調した。
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