韓国気象庁が15年以上も研究を続けている人工降雨実験が成果を出せずにいる。実験に必要な火薬の購入などには多額の税金が投入されているのに、降雨量の増加(増雨量)はまったくないか、せいぜいい1~3㎜に過ぎず、実効性に対する疑問の声も上がっている。
気象庁傘下の国立気象科学院は昨年、22回の人工降雨実験を実施した。そのうち、最も増雨量が多かったのは昨年10月4日の空軍合同実験だった。気象航空機と空軍航空機がそれぞれ塩化カルシウム燃焼弾24発、塩化ナトリウム粉末1.5トンを空にまいた。
気象庁はこの実験で3.7㎜程度、降雨量が増えたと明らかにした。これまで公開された実験で最大だが、1㎜を超えたのは昨年には5回しかなかった。
増雨量が感知されていない実験が3件、測定最低値である0.1㎜に過ぎない実験が4件もあり、32%は事実上失敗だった。
2021年の成果も同様だ。23回の実験で、感知されなかったのが4件、1㎜未満が8件だった。
人工降雨は1946年、米ゼネラル・エレクトリック(GE)で初めて効果が確認され、米国や中国、砂漠地域を中心に研究が進められてきた。だが効果は千差万別で、実用化が可能かどうか依然として論争になっている。
ある学界関係者は「人工降雨は中国や米国のように広くて平らな地域が多い場所で効果的だ。山火事や用水確保のためには、水門管理に力を入れた方が良いだろう」と話している。
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