
このほど韓国の放送局JTBCの情報番組「事件班長」で、海外に移住した息子にだまされ、飲食店の資金を搾取されたまま追い出された60代女性のエピソードが取り上げられた。
女性は数年前に夫を亡くし、韓国で小さな食堂を営んでいた。コロナ禍で経営が悪化していた時、海外で現地女性と結婚した息子から「こっちで一緒に韓国料理店をやろう。今、韓国ブームだから必ず成功する」と誘われた。
息子は「手ぶらで来ていい」と甘い言葉をかけつつ、開業資金の拠出を要求。女性はがんの診断時に受け取った給付金だけでなく、借金してまとまった資金を工面した。
渡航すると、息子は豪華な住宅に家政婦付きの裕福な暮らしをしていた。女性は言葉もろくに通じないのに市場で食材の調査などをさせられ、開業後は料理担当になった。息子と嫁はほとんど店に姿を見せず、人気店になっても感謝の言葉すらなかった。
嫁は来店すると「厨房が汚い」「料理がまずい」と文句を言い、息子に苦情を言っても反応はなかった。つらくて一人で酒を飲んでいると、嫁が「こいつ、韓国へ帰らせて」と言って警察を呼んだ。
息子は「ここでは金が全て。警察も金で動く。24時間以内に出て行かなければ強制送還される」と言い放ち、韓国に追い返した。帰国した女性は住む場所もなく、現在はソウルの簡易宿泊施設で暮らしている。「投資した金を返してほしい」と連絡したら、以後は遮断されたという。
心理学者のパク・サンヒ教授は「裏切られた無念さと喪失感で相当つらいだろう。生活保護の申請や心理カウンセリング制度で支援を受けてほしい」と助言した。
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