ソウル大学卒業生たちが同窓生などの写真をわいせつ画像と合成して制作した性犯罪映像物を流布して摘発された。過去「n番部屋事件」のように今回も「テレグラム」が舞台だったが、捜査と規制の死角地帯に置かれたために各種犯罪の温床になったという批判が殺到している。それでもテレグラムは最近3年間、韓国国内で利用者層が最も増えたモバイルメッセンジャーだった。
モバイルインデックスによると、テレグラムの国内MAU(月間アクティブユーザー数)は今年4月に300万人だった。これは3年前の2021年4月(249万人)に比べ20.5%(51万人)増えた。テレグラムのMAUは着実に右肩上がりで伸びてきたが、今年3月に入って初めて300万人の大台に乗った。
この3年間、国内で目立って利用者が伸びたモバイルメッセンジャーはテレグラムだけだ。同期間、メタ(旧フェイスブック)「メッセンジャー(Messenger)」の国内MAUは587万人(2019年4月)から246万人(今年4月)へと58.1%(341万人)減少した。中国版LINEの「微信(WeChat)」のMAUも129万人から115万人へと10.9%(14万人)減少した。
ネイバーの「LINE」のMAUは189万人から204万人へと15万人(7.9%)増に止まった。メタの別のメッセンジャー「WhatsApp」の今年4月のMAUは70万人で、3年前に比べて増加率(75%、30万人)は最も高かったが、依然として国内での利用者は少ない。
国内の代表メッセンジャーであるカカオトークのMAUは、同期間に4419万人から4492万人へと73万人増加した。増えた利用者数は最も多かったが、3年間の増加率は1.7%で事実上、成長停滞期に入った。
◇世界で4番目
テレグラムはロシアの企業家パベル・ドゥロフが開発、2013年8月にドイツで公開し、現在本社はアラブ首長国連邦(UAE)ドバイにある。エンドツーエンドの暗号化を適用した「秘密対話」など、高いセキュリティ性を誇る。
ドゥロフは最近、主要な外国メディアのインタビューで、テレグラムのグローバルMAUが9億人だと明らかにした。WhatsApp、微信、メタメッセンジャーに続き、利用者が世界で4番目に多い。
韓国ではカカオトークが、騒ぎに巻き込まれる度に注目された。2014年、検察と警察のいわゆる「カカオトーク査察」騒ぎが起きた当時、私生活侵害を懸念した利用者が大挙してテレグラムに加入し、2022年10月SKC&C板橋(パンギョ)データセンター火災による「カカオトーク不通」事態時の代替ツールとして人気を集めた。
大統領と与党の有力者の間でテレグラムのチャットルームが露出され話題になるなど、政界をはじめとする社会指導層も幅広く利用している。
実際、最近3年間テレグラムアプリの新規インストール件数が最も多かった時期は2021年12月(29万件)だったが、この時はオープンチャットルームとインターネットコミュニティなどに利用者がアップする動画の不法撮影の有無を事前確認するようにした「n番部屋防止法」施行時期だった。
その次はカカオトークの不通事態が起きた2022年10月(28万件)だった。また、最近1年間の月平均新規インストール件数は21万件で、着実に利用者層が増加している。
だが、このような安全性のため麻薬取引と性搾取、コイン・株式リーディングルームなど各種犯罪の震源地となった。n番部屋・博士部屋など性搾取事件の主犯がテレグラムを利用したが、n番部屋防止法に反発した利用者がよりいっそうテレグラムを利用し始めたのは皮肉だ。海外にサーバーを置いている外国企業のため、規制から外されたためだ。さらに、犯罪容疑が明らかになっても、韓国捜査当局の協力要請は簡単には受け入れられない。
国際社会でもテレグラムの成長はジレンマだ。一部言論統制などが激しい国家では表現の自由を保障する解放区として機能するが、国内と同じようにテロリストやサイバー犯罪集団の悪用が増えているためだ。これに対し、一部の国はテレグラムの利用を禁止または制限する策を講じた。
プラットフォーム業界関係者は「国産メッセンジャーはプライバシー保護と犯罪予防などのために継続的に機能を補完するが、テレグラムなど外国産メッセンジャーを放置していれば規制の実効性は劣る」とし、デジタル犯罪の捜査機能強化などの対策準備の必要性を強調した。
(c)MONEYTODAY