気候変化に伴う気温上昇で朝鮮半島に自生したり、植林されたりした樹木の生育域が今世紀末には大幅に狭まる――。韓国・・国民大学のイム・チョルヒ教授チームが論文でこんな指摘をし、注目を集めている。その名に国名を冠したチョウセンゴヨウの適合生育地はほとんどなくなり、暖かい気候を好むヒノキとスギは拡大するという。その予測はかなり劇的だ。
朝鮮半島自生種であるチョウセンゴヨウの適合生育地は現在、全国の約13.87%。しかし、温室効果ガス排出傾向がこのまま続けば2081~2100年には0.11%に激減する見通しだ。英語でも「コリアンパイン」(Koreanpine)と呼ばれているが、半島で居場所を失うことになりかねないという。
一方、日本や済州(チェジュ)島でよく見られるヒノキやスギは大幅に適合生育地を増やす。韓国の7.1%が適合生育地のスギは今世紀末に18.2%まで拡大。ヒノキに至っては現在の19.3%から今世紀末に90.1%にまで広がる。北朝鮮と隣接した江原地域でも、ともに生育が可能になるということだ
イム教授チームは「チョウセンゴヨウの適合生育地の25%ほどをスギとヒノキが代替できるだろう。今後、木材資源として木を植える時、気候変化を十分に考慮する必要がある」としている。
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